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9_80 文章の読み解き / 文章の読み解き

徒然草『花は盛りに』テストで出題されそうな問題

著者名: 走るメロス
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花は盛りに

このテキストでは、兼好法師が書いた徒然草から『花は盛りに』でテストに出題されそうな問題をピックアップしていきます。



問題

次の文章を読み、問いに答えよ


花は盛りに、月は隈なきをのみ見るものかは。雨に向かひて月を恋ひ、垂れ込めて春の行方知らぬも、なほあはれに情け深し咲きぬべきほどの梢、散りしをれたる庭などこそ見どころ多けれ。
歌の詞書にも、
「花見にまかれりけるに、早く散り過ぎにければ。」



とも、
障ることありてまからで。」

なども書けるは、
「花を見て。」

と言へるに劣れることかは。花の散り、月の傾くを慕ふならひはさることなれど、ことにかたくななる人ぞ、
「この枝かの枝、散りにけり。今は見どころなし。」

などは言ふめる。
よろづのことも、始め終はりこそをかしけれ。男女の情けも、ひとへに逢ひ見るをばいふものかは。逢はでやみにし憂さを思ひ、あだなる契りをかこち、長き夜をひとり明かし、遠き雲井を思ひやり、浅茅が宿に昔をしのぶこそ、色好むとはいはめ。



望月の隈なきを千里の外まで眺めたるよりも、暁近くなりて待ち出でたるが、いと心深う、青みたるやうにて、深き山の杉の梢に見えたる木の間の影、うちしぐれたるむら雲隠れのほど、またなくあはれなり。椎柴・白樫などのぬれたるやうなる葉の上にきらめきたるこそ、身にしみて、心あらむ友もがなと、都恋しうおぼゆれ。

すべて、月・花をば、さのみ目にて見るものかは。春は家を立ち去らでも、月の夜は閨(ねや)のうちながらも思へるこそ、いとたのもしう、をかしけれ。よき人は、ひとへに好けるさまにも見えず、興ずるさまも等閑(なほざり)なり。片田舎の人こそ、色こく万はもて興ずれ。花の本には、ねぢより立ち寄り、あからめもせずまもりて、酒のみ、連歌して、はては、大きなる枝、心なく折り取りぬ。泉には手・足さしひたして、雪にはおりたちて跡つけなど、万の物、よそながら見る事なし。

設問

Q1:「隈なきをのみ見るものかは」を現代語訳せよ。




Q2:「なほあはれに情け深し」とあるが、何が情け深いのか。


Q3:「咲きぬべき」の「べき」の文法的意味とその活用形を答えよ。


Q4:「障ることありてまからで」を現代語訳せよ。




Q5:「かたくななる人」とはどのような人のことか。


Q6:「あだなる」の意味と活用形を答えよ。


Q7:「きらめきたる」の主語を本文中から1文字で抜き出せ。




Q8:「よき人」と似たような意味で使われている言葉を、本文中から抜き出せ。


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【中国の春秋戦国時代と活躍した人物について解説】

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『教科書 精選国語総合』 三省堂
『教科書 高等学校国語総合 古典編』 三省堂
佐竹昭広、前田金五郎、大野晋 編1990 『岩波古語辞典 補訂版』 岩波書店
『教科書 高等学校 国語総合』 第一学習社
『教科書 国語総合』 筑摩書房

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