平家物語『木曽の最期』の品詞分解(1/8)
このテキストでは、
平家物語の一節『
木曽の最期』の「
木曽は長坂を経て~」から始まる部分の品詞分解を記しています。書籍によっては「木曾最期/木曽最期」とするものもあるようです。
平家物語とは
「
祇園精舎の鐘の声〜」で始まる一節で広く知られている
平家物語は、鎌倉時代に成立したとされる軍記物語です。平家の盛者必衰、武士の台頭などが描かれています。
品詞分解
※名詞は省略しています。
■木曽は長坂を経て丹波路へ赴くとも聞こえけり。また竜花越にかかつて北国へとも聞こえけり。
木曾 | ー |
は | 係助詞 |
長坂 | ー |
を | 格助詞 |
経 | ハ行下二段活用・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
丹波路 | ー |
へ | 格助詞 |
おもむく | カ行四段活用・終止形 |
と | 格助詞 |
も | 係助詞 |
聞こえ | ヤ行下二段活用・連用形 |
けり。 | 過去の助動詞・終止形 |
また | 接続詞 |
竜花越 | ー |
に | 格助詞 |
かかつ | ラ行四段活用・連用形の促音便 |
て、 | 接続助詞 |
北国 | ー |
へ | 格助詞 |
と | 格助詞 |
も | 係助詞 |
聞こえ | ヤ行下二段活用・連用形 |
けり。 | 過去の助動詞・終止形 |
■かかりしかども「今井が行方を聞かばや。」とて勢田の方へ落ち行くほどに、今井四郎兼平も八百余騎で勢田を固めたりけるが、
かかり | ラ行変格活用・連用形 |
しか | 過去の助動詞・已然形 |
ども、 | 接続助詞 |
「今井 | ー |
が | 格助詞 |
ゆくへ | ー |
を | 格助詞 |
聞か | カ行四段活用・未然形 |
ばや。」 | 終助詞 |
とて、 | 格助詞 |
勢田 | ー |
の | 格助詞 |
方 | ー |
へ | 格助詞 |
落ち行く | カ行四段活用・連体形 |
ほど | ー |
に、 | 格助詞 |
今井四郎兼平 | ー |
も、 | 係助詞 |
八百余騎 | ー |
で | 格助詞 |
勢田 | ー |
を | 格助詞 |
固めたり | 存続の助動詞・連用形 |
ける | 過去の助動詞・連体形 |
が、 | 接続助詞 |
■わづかに五十騎ばかりに討ちなされ、旗をば巻かせて、主の覚束なきに、都へとつて返すほどに、大津の打出浜にて木曽殿に行き逢ひたてまつる。
わづかに | 形容動詞・ナリ活用・連用形 |
五十騎 | ー |
ばかり | 副助詞 |
に | 格助詞 |
討ちなさ | サ行四段活用・未然形 |
れ、 | 受身の助動詞・連用形 |
旗 | ー |
を | 格助詞 |
ば | 係助詞 |
巻か | カ行四段活用・未然形 |
せ | 使役の助動詞・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
主 | ー |
の | 格助詞 |
おぼつかなき | 形容詞・ク活用・連体形 |
に、 | 格助詞 |
都 | ー |
へ | 格助詞 |
とつて返す | サ行四段活用・連体形 |
ほど | ー |
に、 | 格助詞 |
大津 | ー |
の | 格助詞 |
打出の浜 | ー |
にて | 格助詞 |
木曾殿 | ー |
に | 格助詞 |
行き合ひ | ハ行四段活用・連用形 |
たてまつる。 | 補助動詞・ラ行四段活用・終止形 |
■互ひに中一町ばかりより、それと見知つて、主従駒をはやめて寄り合うたり。
互ひに | 副詞 |
中一町 | ー |
ばかり | 副助詞 |
より、 | 格助詞 |
それ | ー |
と | 格助詞 |
見知つ | ラ行四段活用・連用形の促音便 |
て、 | 接続助詞 |
主従 | ー |
駒 | ー |
を | 格助詞 |
はやめ | マ行下二段活用・連用形 |
て | 接続助詞 |
寄り合う | ハ行四段活用・連用形のウ音便 |
たり。 | 完了の助動詞・終止形 |