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沙石集『いみじき成敗/正直の徳』の品詞分解1(唐土にいやしき夫婦あり~)

著者名: 走るメロス
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いみじき成敗/正直の徳

このテキストでは、沙石集の一節「いみじき成敗」(唐土にいやしき夫婦あり~)の品詞分解、敬意の向きを記しています。書籍によっては「正直の徳」と題するものもあるようです。2回に渡ってお送りしていますが、このテキストはその1回目です。

※つづき:品詞分解「いみじき成敗/正直の徳」(国の守、眼さかしくして〜)

※現代語訳:「いみじき成敗/正直の徳」現代語訳と文法解説

品詞分解

※名詞は省略しています。


唐土にいやしき夫婦あり。餅を売りて世を渡りけり。夫、道のほとりにして餅を売りけるに、人の袋を落としたりけるを取りて見れば、銀の軟挺六つありけり。家に持ちて帰りぬ。

単語品詞敬意の向き
唐土
格助詞
いやしきシク活用の形容詞「いやし」の連体形
夫婦
あり。ラ行変格活用「あり」の終止形
格助詞
売りラ行四段活用「うる」の連用形
接続助詞
格助詞
渡りラ行四段活用「わたる」の連用形
けり。過去の助動詞「けり」の終止形
の、格助詞
格助詞
ほとり
格助詞
して接続助詞
格助詞
売りラ行四段活用「うる」の連用形
ける過去の助動詞「けり」の連体形
に、格助詞
格助詞
格助詞
落としサ行四段活用「おとす」の連用形
たり完了の助動詞「たり」の連用形
ける過去の助動詞「けり」の連体形
格助詞
マ行上一段活用「みる」の連用形
けれ過去の助動詞「けり」の已然形
ば、接続助詞
格助詞
軟挺
六つ
ありラ行変格活用「あり」の終止形
けり。過去の助動詞「けり」の終止形
格助詞
持ちタ行四段活用「もつ」の連用形
接続助詞
帰りラ行四段活用「かへる」の連用形
ぬ。完了の助動詞「ぬ」の終止形



妻、心素直に欲なき者にて、「我らは商うて過ぐれば事も欠けず。この主いかばかり嘆き求むらむ。いとほしきことなり。主を尋ねて返し給へ。」と言ひければ、

単語品詞敬意の向き
妻、
素直にナリ活用の形容動詞「すなほなり」の連用形
なきク活用の形容詞「なし」の連体形
断定の助動詞「に」の連用形
て、接続助詞
「我ら代名詞
係助詞
商うハ行四段活用「あきなふ」の連用形のウ音便
接続助詞
過ぐれガ行上二段活用「すぐ」の已然形
接続助詞
係助詞
欠けカ行下二段活用「かく」の未然形
ず。打消の助動詞「ず」の終止形
代名詞
格助詞
いかばかり副詞
嘆き求むマ行下二段活用「なげきもとむ」の終止形
らむ。現在推量の助動詞「らむ」の連体形
いとほしきシク活用の形容詞「いとほし」の連体形
こと
なり。断定の助動詞「なり」の終止形
格助詞
尋ねナ行下二段活用「たづぬ」の連用形
接続助詞
返しサ行四段活用「かへす」の連用形
給へ。」尊敬の補助動詞・ハ行四段活用「たまふ」の命令形妻→夫
格助詞
言ひハ行四段活用「いふ」の連用形
けれ過去の助動詞「けり」の已然形
ば、接続助詞



「まことに。」とて、あまねく触れけるに、主といふ者出で来て、これを得てあまりにうれしくて、「三つをば奉らむ。」と言ひて、既に分かつべかりけるとき、

単語品詞敬意の向き
「まことに。」副詞
とて、格助詞
あまねくク活用の形容詞「あまねし」の連用形
触れラ行下二段活用「ふる」の連用形
ける過去の助動詞「けり」の連体形
に、接続助詞
格助詞
いふハ行四段活用「いふ」の連体形
出で来カ行変格活用「いでく」の連用形
て、接続助詞
これ代名詞
格助詞
ア行下二段活用「う」の連用形
接続助詞
あまりに副詞
うれしくシク活用の形容詞「うれし」の連用形
て、接続助詞
「三つ
格助詞
係助詞
奉らラ行四段活用「たてまつる」の未然形・謙譲語持ち主→夫
む。」意志の助動詞「む」の終止形
格助詞
言ひハ行四段活用「いふ」の連用形
て、接続助詞
既に副詞
分かつタ行四段活用「わかつ」の終止形
べかり意志の助動詞「べし」の連用形
ける過去の助動詞「けり」の連体形
とき、


[next page]
思ひ返して、煩ひを出ださんために、「七つこそありしに、六つあるこそ不審なれ。一つをば隠されたるにや。」と言ふ。


単語品詞敬意の向き
思ひ返しサ行四段活用「おもひかへす」の連用形
て、接続助詞
煩ひ
格助詞
出ださサ行四段活用「いだす」の未然形
婉曲の助動詞「む」の連体形
格助詞
ため
に、格助詞
「七つ
こそ係助詞
ありラ行変格活用「あり」の連用形
過去の助動詞「けり」の連体形
に、接続助詞
六つ
あるラ行変格活用「あり」の連体形
こそ係助詞
不審なれ。ナリ活用の形容動詞「ふしんなり」の已然形
一つ
係助詞
隠さサ行四段活用「かくす」の未然形
尊敬の助動詞「る」の連用形持ち主⇒夫
たる存続の助動詞「たり」の連体形
断定の助動詞「なり」の連用形
や。」係助詞
格助詞
言ふ。ハ行四段活用「いふ」の終止形



「さることなし。もとより六つなり。」と論ずるほどに、果ては国の守のもとにして、これをことわらしむ。

単語品詞敬意の向き
「さる連体詞
こと
なし。シク活用の形容詞「なし」の終止形
もとより副詞
六つ
なり。」断定の助動詞「なり」の終止形
格助詞
論ずるサ行変格活用「ろんず」の連体形
ほど
に、格助詞
果て
係助詞
国守
格助詞
もと
格助詞
して、格助詞
これ
格助詞
ことわらラ行四段活用「ことわる」の未然形
しむ。使役の助動詞「しむ」の終止形


※つづき:品詞分解「いみじき成敗/正直の徳」(国の守、眼さかしくして〜)
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『教科書 高等学校 国語総合』 第一学習社
佐竹昭広、前田金五郎、大野晋 編1990 『岩波古語辞典 補訂版』 岩波書店
『教科書 高等学校 新訂国語総合』 第一学習社

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