manapedia
更新日時:
沙石集『いみじき成敗/正直の徳』の品詞分解1(唐土にいやしき夫婦あり~)
著作名: 走るメロス
100,145 views
いみじき成敗/正直の徳

このテキストでは、沙石集の一節「いみじき成敗」(唐土にいやしき夫婦あり~)の品詞分解、敬意の向きを記しています。書籍によっては「正直の徳」と題するものもあるようです。2回に渡ってお送りしていますが、このテキストはその1回目です。

※つづき:品詞分解「いみじき成敗/正直の徳」(国の守、眼さかしくして〜)

※現代語訳:「いみじき成敗/正直の徳」現代語訳と文法解説

品詞分解

※名詞は省略しています。


■唐土にいやしき夫婦あり。餅を売りて世を渡りけり。夫、道のほとりにして餅を売りけるに、人の袋を落としたりけるを取りて見れば、銀の軟挺六つありけり。家に持ちて帰りぬ。

単語品詞敬意の向き
唐土ーー
に格助詞ー
いやしきシク活用の形容詞「いやし」の連体形ー
夫婦ーー
あり。ラ行変格活用「あり」の終止形ー
餅ーー
を格助詞ー
売りラ行四段活用「うる」の連用形ー
て接続助詞ー
世ーー
を格助詞ー
渡りラ行四段活用「わたる」の連用形ー
けり。過去の助動詞「けり」の終止形ー
夫ーー
の、格助詞ー
道ーー
の格助詞ー
ほとりーー
に格助詞ー
して接続助詞ー
餅ーー
を格助詞ー
売りラ行四段活用「うる」の連用形ー
ける過去の助動詞「けり」の連体形ー
に、格助詞ー
人ーー
の格助詞ー
袋ーー
を格助詞ー
落としサ行四段活用「おとす」の連用形ー
たり完了の助動詞「たり」の連用形ー
ける過去の助動詞「けり」の連体形ー
を格助詞ー
見マ行上一段活用「みる」の連用形ー
けれ過去の助動詞「けり」の已然形ー
ば、接続助詞ー
銀ーー
の格助詞ー
軟挺ーー
六つーー
ありラ行変格活用「あり」の終止形ー
けり。過去の助動詞「けり」の終止形ー
家ーー
に格助詞ー
持ちタ行四段活用「もつ」の連用形ー
て接続助詞ー
帰りラ行四段活用「かへる」の連用形ー
ぬ。完了の助動詞「ぬ」の終止形ー



■妻、心素直に欲なき者にて、「我らは商うて過ぐれば事も欠けず。この主いかばかり嘆き求むらむ。いとほしきことなり。主を尋ねて返し給へ。」と言ひければ、

単語品詞敬意の向き
妻、ーー
心ーー
素直にナリ活用の形容動詞「すなほなり」の連用形ー
欲ーー
なきク活用の形容詞「なし」の連体形ー
者ーー
に断定の助動詞「に」の連用形ー
て、接続助詞ー
「我ら代名詞ー
は係助詞ー
商うハ行四段活用「あきなふ」の連用形のウ音便ー
て接続助詞ー
過ぐれガ行上二段活用「すぐ」の已然形ー
ば接続助詞ー
事ーー
も係助詞ー
欠けカ行下二段活用「かく」の未然形ー
ず。打消の助動詞「ず」の終止形ー
こ代名詞ー
の格助詞ー
主ーー
いかばかり副詞ー
嘆き求むマ行下二段活用「なげきもとむ」の終止形ー
らむ。現在推量の助動詞「らむ」の連体形ー
いとほしきシク活用の形容詞「いとほし」の連体形ー
ことーー
なり。断定の助動詞「なり」の終止形ー
主ーー
を格助詞ー
尋ねナ行下二段活用「たづぬ」の連用形ー
て接続助詞ー
返しサ行四段活用「かへす」の連用形ー
給へ。」尊敬の補助動詞・ハ行四段活用「たまふ」の命令形妻→夫
と格助詞ー
言ひハ行四段活用「いふ」の連用形ー
けれ過去の助動詞「けり」の已然形ー
ば、接続助詞ー



■「まことに。」とて、あまねく触れけるに、主といふ者出で来て、これを得てあまりにうれしくて、「三つをば奉らむ。」と言ひて、既に分かつべかりけるとき、

単語品詞敬意の向き
「まことに。」副詞ー
とて、格助詞ー
あまねくク活用の形容詞「あまねし」の連用形ー
触れラ行下二段活用「ふる」の連用形ー
ける過去の助動詞「けり」の連体形ー
に、接続助詞ー
主ーー
と格助詞ー
いふハ行四段活用「いふ」の連体形ー
者ーー
出で来カ行変格活用「いでく」の連用形ー
て、接続助詞ー
これ代名詞ー
を格助詞ー
得ア行下二段活用「う」の連用形ー
て接続助詞ー
あまりに副詞ー
うれしくシク活用の形容詞「うれし」の連用形ー
て、接続助詞ー
「三つーー
を格助詞ー
ば係助詞ー
奉らラ行四段活用「たてまつる」の未然形・謙譲語持ち主→夫
む。」意志の助動詞「む」の終止形ー
と格助詞ー
言ひハ行四段活用「いふ」の連用形ー
て、接続助詞ー
既に副詞ー
分かつタ行四段活用「わかつ」の終止形ー
べかり意志の助動詞「べし」の連用形ー
ける過去の助動詞「けり」の連体形ー
とき、ーー


[next page]
■思ひ返して、煩ひを出ださんために、「七つこそありしに、六つあるこそ不審なれ。一つをば隠されたるにや。」と言ふ。


単語品詞敬意の向き
思ひ返しサ行四段活用「おもひかへす」の連用形ー
て、接続助詞ー
煩ひーー
を格助詞ー
出ださサ行四段活用「いだす」の未然形ー
ん婉曲の助動詞「む」の連体形ー
が格助詞ー
ためーー
に、格助詞ー
「七つーー
こそ係助詞ー
ありラ行変格活用「あり」の連用形ー
し過去の助動詞「けり」の連体形ー
に、接続助詞ー
六つーー
あるラ行変格活用「あり」の連体形ー
こそ係助詞ー
不審なれ。ナリ活用の形容動詞「ふしんなり」の已然形ー
一つーー
は係助詞ー
隠さサ行四段活用「かくす」の未然形ー
れ尊敬の助動詞「る」の連用形持ち主⇒夫
たる存続の助動詞「たり」の連体形ー
に断定の助動詞「なり」の連用形ー
や。」係助詞ー
と格助詞ー
言ふ。ハ行四段活用「いふ」の終止形ー



■「さることなし。もとより六つなり。」と論ずるほどに、果ては国の守のもとにして、これをことわらしむ。

単語品詞敬意の向き
「さる連体詞ー
ことーー
なし。シク活用の形容詞「なし」の終止形ー
もとより副詞ー
六つーー
なり。」断定の助動詞「なり」の終止形ー
と格助詞ー
論ずるサ行変格活用「ろんず」の連体形ー
ほどーー
に、格助詞ー
果てーー
は係助詞ー
国守ーー
の格助詞ー
もとーー
に格助詞ー
して、格助詞ー
これーー
を格助詞ー
ことわらラ行四段活用「ことわる」の未然形ー
しむ。使役の助動詞「しむ」の終止形ー


※つづき:品詞分解「いみじき成敗/正直の徳」(国の守、眼さかしくして〜)

このテキストを評価してください。
役に立った
う~ん・・・
※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。