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23_80 化学基礎:物質の変化 / 化学基礎:水素イオンとpH

化学基礎 水素イオンの濃度とpHの求め方

著者名: 藤山不二雄
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水素イオンの濃度とpHの求め方

イオン積と中性

水は次のようにイオンを発生しています。

H₂O↔︎H⁺+OH⁻

※「↔︎」は右と左の状態を行ったり来たりしているという意味で、この反応を可逆反応と言いますy。

水の中では水素イオン濃度と水酸化物イオン濃度の積は一定の値をとることがわかっています。これを水のイオン積といいます。
特に25℃の環境下では水素イオンの濃度と水酸化物イオンの濃度はそれぞれ

1.0×10⁻⁷ mol/l

であり

水素イオン濃度×水酸化物イオン濃度=1.0×10⁻¹⁴ mol/l

となります。

この状態が中性と呼ばれる状態です。

酸性・塩基性の正体

酸を水に溶かすと水素イオンの濃度が増加し、水溶液は酸性になります。
塩基を水に溶かすと水酸化物イオンの濃度が増加し、水溶液は塩基性になります。
ここでも水素イオン濃度と水酸化物イオン濃度の積は一定です。
つまり水素イオン濃度と水酸化物イオン濃度は反比例であることが言えますね。

これまで酸性は水素イオンで、塩基性は水酸化物イオンでみてきましたが、水素イオンの濃度だけで酸性なのか塩基性なのかを見分けることができるようになります。

以上をまとめると、
酸性とは水素イオン濃度が
1.0×10⁻⁷ mol/lより大きい状態


中性とは水素イオン濃度が
1.0×10⁻⁷ mol/lのときの状態


塩基性とは水素イオン濃度が
1.0×10⁻⁷ mol/lより小さい状態


pHの求め方その1

ちなみに中学校のときに濃度を表す単位で、「pH」(ペーハー)を習ったと思いますが、このpHはここで登場してきます。
1.0×10⁻⁷ mol/lといわれても、単位が小さすぎていまいちピンとこないということで

pH=-log₁₀[H⁺]

という単位を作りました。これを用いると

1.0×10⁻⁷ mol/lは、pH=7

となります。つまりまとめると

酸性pH>7
中性pH=7
塩基性pH<7


中学校のときに習った数値と一致しますね!


pHの求め方その2

もう1つ、pHの求め方があります。それが下記のものです。
水素イオン濃度[H⁺]=酸の価数×酸のモル濃度×酸の電離度

水酸化物イオン濃度[OH⁻]=塩基の価数×塩基のモル濃度×塩基の電離度


この式を使えば水素イオン濃度や水酸化物イオン濃度がわかります。
水素イオン濃度は必ず1.0×10ⁿという数値になり、 このnの値がpHになります。

問題で与えられた数値によってこの2つの方法を使い分けるのが大切です。
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・化学基礎 水素イオンの濃度とpHの求め方

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『チャート式 新化学Ⅰ』数研出版

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