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23_80 化学基礎:物質の変化 / 化学基礎:水素イオンとpH

化学基礎 酢酸のpHの求め方・計算問題

著者名: 藤山不二雄
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酢酸のpHの求める計算問題

0.5mol/lの酢酸5mlのpHを求めなさい(ただし、電離度は0.02とする)


このような問題があったとしましょう。
この問題でネックになってくるのは電離度です。



電離度とは

「電離度??」という方のためにおさらいをしますと、電離度とは溶けた電解質のうち、どれだけが電離したのかを表し、

電離した電解質の物質量÷溶解した電解質の物質量

で求めることができます。強酸や強塩基などはこれがほぼ1であるのに対し、弱酸や酢塩基の電離度は0に近い値をとります。この電離度が1に近ければ近いほど、強酸・強塩基といえます。

つまり今回の酢酸は、電離度が0.02ですので、酢酸は弱酸であることがわかりますね。

pHの求め方

pHを求めるには、 水素イオン濃度をまず求めなければなりません。
その求め方は2通りあります。

求め方その1

電離度が与えられていますので、
水素イオン濃度[H⁺]=酸の価数×酸のモル濃度×酸の電離度 
の計算で水素イオン濃度を求めることができます。酢酸は1価の酸ですので

水素イオン濃度[H⁺]=1×0.5mol×0.02=0.01=1.0 × 10⁻²

ここで裏技ですが、 1.0 × 10⁻² の乗数の部分、すなわちここでは2がpHの値となります。よって、求めるpHは2となります。



求め方その2

続いて少しアドバンスな解き方です。ここで設問の数値を変えましょう
0.1mol/lの酢酸5mlのpHを求めなさい(ただし、電離度は0.016、log₂=0.3とする)


実はpHを求める公式というものが存在します。それが以下のものです。

pH=− log H⁺ …① 

[H⁺]は水素イオン濃度のことを指します。つまりこの公式を使うためには、水素イオン濃度が必要です。pHを求める問題は必ず水素イオン濃度を求めなければならないので、まずは水素イオン濃度を求めましょう。


与えられた酢酸は0.1mol/l、電離度が0.016なので、この酢酸の水素イオン濃度は

1×0.1×0.016=0.0016=16 × 10⁻⁴

となります。①の公式から

pH=− log 16 × 10⁻⁴=4 − log 16

ここまでくればあとはlogの式を解くだけです。
pH=2.8となります。

この公式はどのようなときに使うかというと、水素イオン濃度が1.0 × 10⁻ⁿとならないような時です。1.0 × 10⁻ⁿというように水素イオン濃度がまとめることができると、nの値をそのままpHとすることができます

しかし、 3.0 × 10⁻ⁿ 5.0 × 10⁻ⁿといった水素イオン濃度になったらどうでしょう。n=pHとすることができなくなります。

このような場合には必ず、前もってlog₃やlog₅といった値が与えられていますので、公式を用いてlogの式を解くことは可能になります。



まとめ

以上のことから、水素イオン濃度が1.0 × 10⁻ⁿのように簡単に解くことができそうであれば求め方その1を、それ以外の場合は求め方その2の公式を用いることが望ましいでしょう。また、 設問にlogがでてきたらlogを使わないと解けないということの裏返しでもあるので、設問もしっかりと読むようにしましょう。
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・化学基礎 酢酸のpHの求め方・計算問題

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『化学Ⅰ ニューグローバル』 東京書籍

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