秋夜寄丘二十二員外
タイトルである「秋夜寄丘二十二員外」の丘二十二とは、「丘さんところの22男」と訳すので、タイトルを現代語訳するなら、「秋の夜に、丘家の二十二男である員外に手紙を出した。」となります。ちなみに員外とは人の名前ではなくて、役職の名前です。
またこの句は、5文字にならんだ漢字が4段になってできた
五言絶句というタイプの句です。
白文(原文)
懐 君 属 秋 夜
散 歩 詠 涼 天
山 空 松 子 落
幽 人 応 未 眠
書き下し文
君を懐(おも)いて秋夜に属(しょく)し
散歩して涼天に詠ず。
山空しくして松子(しょうし)落ち
幽人応(まさ)に未だ眠らざるべし。
現代語訳
あなたを懐かしく思っている秋の夜に
涼しい空の下、散歩をしながら詩を詠みました。
山は人気がないので、松ぼっくりが落ちる音がよく聞こえる
ひっそりと暮らすあなたのところでも、松ぼっくりの落ちる音がして、まだ眠れずにいることでしょう。
単語・文法解説
属 | ちょうどいま、おりしも |
松子 | 松ぼっくり |
幽人 | 人里離れたところでひっそりと暮らしている |
応 | 再読文字。「まさに~(す)べし」と読み、「きっと~だろう」という推量を表します |
未 | 再読文字。「いまだ~(せ)ず」と読み、「まだ~ない」という否定を表します |