現代語訳(口語訳)
(※1)楚人に盾と矛とを
(※2)鬻ぐ者有り。
楚の国の人で盾と矛とを売る者がいました。
之を誉めて曰はく、
(この人が)自分の盾のことを誉めて言うことには、
「吾が盾の堅きこと、(※3)能く(※4)陥す莫きなり。」と。
「「私の盾の頑丈なことといえば、突き通すことができるものはない。」と。
又其の矛を誉めて曰はく、
また、そのの矛を誉め言うことには、
「吾が矛の(※5)利きこと、物に於いて陥さ(※6)ざる無きなり。」と。
「私の矛の鋭いことには、どんな物でも突き通すことができないものはない。」と。
或るひと曰はく、
(それを聞いていた)ある人の言うことには、
「(※7)子の矛を以つて、子の盾を陥さば何如。」と。
「(何でも突き通すことができる)あなたの矛で、(突き通すことができるものがない)あなたの盾を突いたらどうなるのですか。」と。
其の人応ふる能はざるなり。
その(盾と矛を売る)人は、答えることができませんでした。
単語・解説
| (※1)楚人 | 中国にあった「楚」という国の人 |
| (※2)鬻(ひさ)ぐ | 売る |
| (※3)能く | 〜できる |
| (※4)陥(とお)す | 突き通す |
| (※5)利き | 鋭い |
| (※6)〜ざること無きなり/無不 | 二重否定。「〜しないことはない」 |
| (※7)子 | あなた |
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著者情報:走るメロスはこんな人
学生時代より古典の魅力に取り憑かれ、社会人になった今でも休日には古典を読み漁ける古典好き。特に1000年以上前の文化や風俗をうかがい知ることができる平安時代文学がお気に入り。作成したテキストの総ページビュー数は1,6億回を超える。好きなフレーズは「頃は二月(にうゎんがつ)」や「月日は百代の過客(くゎかく)にして」といった癖のあるやつ。早稲田大学卒業。