はじめに
現在世界三大宗教の1つとして数えられる仏教。この宗教はどのように生まれ、広がっていったのでしょうか。
このテキストでは、仏教の誕生について説明します。
バラモン教に変わる新しい宗教
紀元前6世紀頃、インドでは16大国と言われる王国が存在していました。
その中でも力を持っていたのが
マガダ国という王国でした。マガダ国は紀元前5世紀にライバル国
コーサラを併合し、ガンジス川流域の大国として、政治・経済的な発展を遂げます。
当時、ガンジス川流域で興った新しい都市のクシャトリヤやヴァイシャの中には、バラモン教や、カースト制度(ヴァルナ)に否定的だった人々が多く、バラモン教に変わる新しい宗教を待ち望んでいました。
このような新しい考えを持つ人々に支持されながら、マガダ国から新しい宗教が誕生します。
一つは、
ヴァルダマーナ(紀元前549年頃~紀元前477年)というクシャトリヤが始めた
ジャイナ教です。
ジャイナとは「勝者」という意味で、禁欲や苦行、不殺生などの厳しい戒律を信者に課しました。ジャイナ教はヴァイシャの中でも特に商人の間で広まりました。
ジャイナ教と共に、バラモン教に変わる宗教として成立したのが仏教です。