「皆人ものわびしくて、京に、思ふ人なきにしもあらず」の現代語訳・口語訳・意味・品詞分解
原文
皆人ものわびしくて、京に、
思ふ人なきにしもあらず。
現代語訳・口語訳・意味
皆なんとなく悲しくて、都に、恋しく思う人がないわけではない。
品詞分解
| 単語 | 品詞 |
| 皆人 | 名詞 |
| ものわびしく | シク活用の形容詞「ものわびし」の連用形 |
| て、 | 接続助詞 |
| 京 | 名詞 |
| に、 | 格助詞 |
| 思ふ | ハ行四段活用「おもふ」の連体形 |
| 人 | 名詞 |
| なき | ク活用の形容詞「なし」の連体形 |
| に | 断定の助動詞「なり」の連用形 |
| しも | 副助詞 |
| あら | ラ行変格活用「あり」の未然形 |
| ず。 | 打消の助動詞「ず」の終止形 |
※「
思ふ人」で一語とする解釈もある。
※「
なきにしもあらず」で一語とする解釈もある。
主な出典
【伊勢物語『東下り』】
なほ行き行きて、武蔵の国と下総の国との中に、いと大きなる河あり。それをすみだ河といふ。その河のほとりにむれゐて、思ひやればかぎりなく遠くも来にけるかなと、わびあへるに、渡守、「はや舟に乗れ。日も暮れぬ。」といふに、乗りて渡らむとするに、皆人ものわびしくて、京に、思ふ人なきにしもあらず。さるをりしも、白き鳥の、嘴と脚と赤き、鴫の大きさなる、水の上に遊びつつ魚を食ふ。京には見えぬ鳥なれば、皆人見知らず。