「伏籠のうちに籠めたりつるものを」の現代語訳・口語訳・意味・品詞分解
原文
雀の子を犬君が逃がしつる。伏籠のうちに
籠めたりつるものを。」とて、いと
口惜しと思へり。
現代語訳・口語訳・意味
「雀の子を犬君が逃がしてしまったの。
籠の中に入れておいたのに。」といって、とても残念に思っています。
品詞分解
| 単語 | 品詞 | 敬意の向き |
| 伏籠 | 名詞 | ー |
| の | 格助詞 | ー |
| うち | 名詞 | ー |
| に | 格助詞 | ー |
| 籠め | マ行下二段活用「こむ」の連用形 | ー |
| たり | 存続の助動詞「たり」の連用形 | ー |
| つる | 完了の助動詞「つる」の連体形 | ー |
| ものを。」 | 逆説の終助詞 | ー |
主な出典
【源氏物語「若紫・北山の垣間見」】
「何事ぞや。童べと腹立ち給へるか。」とて、尼君の見上げたるに、少しおぼえたるところあれば、子なめりと見給ふ。「雀の子を犬君が逃がしつる。伏籠のうちに籠めたりつるものを。」とて、いと口惜しと思へり。