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枕草子 原文全集「殿司こそなほをかしきものはあれ/郎等は」
著作名: 古典愛好家
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殿司こそ、なほをかしきものはあれ

殿司(とのもづかさ)こそ、なほをかしきものはあれ。

下(しも)女のきはは、さばかりうらやましきものはなし。

よき人にもせさせまほしきわざなめり。

若くかたちよからむが、なりなどよくてあらむは、ましてよからむかし。

すこし老いてものの例知り、面(おも)なきさまなるも、いとつきづきしくめやすし。

殿司の、顔愛敬づきたらむ、ひとり持たりて、装束時にしたがひ、裳・唐衣(からぎぬ)などいまめかしくてありかせばや、とこそおぼゆれ。


郎等は

郎等(をのこ)は、また、随身(ずいじん)こそあめれ。

いみじう美々しうてをかしき君達も、随身なきはいとしらじらし。

弁などは、いとをかしき司(つかさ)に思ひたれど、下襲(したがさね)のしり短くて、随身のなきぞいとわろきや。




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