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物質の溶解度について
著作名: Shinobu
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はじめに

以前のテキストでは、溶液や溶質、溶媒とはどういうものかということについて説明しました。今回は、物質の溶け方に関して説明していきたいと思います。

飽和溶液って何?

溶けるということは、物質が溶媒の中で拡散して、均一になることでしたね。
ところが、溶液は一定以上を超えると物質が溶けなくなります。

つまり、ほとんどの物質には溶ける量に限界があるんです。

物質が溶ける限界は、溶質や溶媒の性質、更に温度によって変わってきます。

ある温度で、特定の物質を溶媒に溶かしていったときに、これ以上溶けないという状況に達しますが、これを飽和といいます。

飽和状態になった溶液のことを飽和溶液といい、これ以上物質を溶かすことができなくなります。

また、溶液が飽和状態になったとき、溶質の質量を、その物質の溶媒に対する溶解度といいます。

溶解度は基本的に、溶媒100gに対して飽和した溶質のグラム数で表します。

ちょっと例を見てみましょう。

物質\温度0℃20℃40℃60℃80℃100℃
砂糖179g204g238g287g362g487g
35.7g36.0g36.6g37.3g38.4g39.8g


このように、物質によってまったく異なる溶け方をするんですね。

ちなみに、例えば100℃で487g溶ける砂糖の飽和水溶液の温度が下がると、溶解度は温度と共に減って、また物質が現れます。これを結晶といいます。

問題を解いてみましょう!

ここで物質の溶解度に関する問題を解いてみましょう!

問題:ある物質が、水100gに対して20℃で40g、30℃で50gまで溶けるとします。
(1)この物質の20℃の飽和水溶液は何%でしょう。(小数点以下を四捨五入)(2)30℃の飽和水溶液300gを20℃に冷やすと、何gの結晶ができるでしょう。


まず(1)からやってみましょう。
水(溶媒)が100gで、溶質が20℃で40gですね。

濃度の公式覚えていますか?
濃度(%)=溶質の質量(g)÷ 溶液の質量(g)×100

式に当てはめてみましょう。
40g÷140×100≒28.6%

このように飽和水溶液は四捨五入して28.6%でした。

次に(2)です。
結晶が出てきましたね。

30℃で水(溶媒)100gに、溶質50gまで溶けるので、飽和水溶液は150gだと考えられますね。

30℃から20℃に冷やすということは、溶液に溶ける限界が50gから40gに減ってしまいます。
つまり、
50g-40g=10g

となります。
しかしこの問題では、飽和水溶液は300gとあります。
つまり、

150:10=300:X
X=10×300÷150
X=20g
となります。

この問題では20gの結晶ができますね。

おわりに

飽和水溶液の問題も、理解しておくとあとで便利です。しっかり覚えましょうね。

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