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『元二の安西に使ひするを送る』現代語訳と解説 |
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著作名:
走るメロス
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王維『元二の安西に使ひするを送る』の原文・わかりやすい現代語訳と解説
このテキストでは、中国の詩人王維が詠んだ漢詩「元二の安西に使ひするを送る」の原文(白文)、書き下し文、わかりやすい現代語訳(口語訳)とその解説(七言絶句、押韻など)を記しています。
あらすじ
この漢詩は、友人であった元二との別れを詠んだものです。公用で安西に旅立つことになった元二と王維は、旅立ちの前日に渭城の旅館で酒を酌み交わします。いざ出発の朝になってみると、別れが名残惜しく、王維が「最後にもう1杯酌み交わそうではないか」と元二に告げている、そういうシーンです。安西、渭城、陽関は地名です。
元二の安西に使ひするを送る 漢詩
※左から右に読んでください。
渭 城 朝 雨 潤 軽 塵
客 舎 青 青 柳 色 新
勧 君 更 尽 一 杯 酒
西 出 陽 関 無 故 人
書き下し文・現代語訳
渭城朝雨潤軽塵
渭城の朝 軽塵を潤し
渭城の朝の雨が、軽く舞い上がる塵を潤している
客舎青青柳色新
客舎青々柳色新たなり
旅館のそばにある柳の色は、青々としてみずみずしい
勧君更尽一杯酒
君に勧む 更に尽くせ一杯の酒
君にすすめよう、もう1杯酌み交わしてくれ
西出陽関無故人
西の方洋館を出づれば 故人無からん
西の関所である陽関をでてしまったら、一緒に酒を飲むような仲のよい友人もいないだろうから
文法解説
■形式:七言絶句
4つの句からなる詩を絶句(ぜっく)といい、8つの句からなる詩を律詩(りっし)といいます。例えばこの漢詩では、「渭城朝雨潤軽塵」を1句と考えます。この漢詩は4つの句からなるので、絶句です。
また、絶句のうち1つの句が5文字からなるものを五言絶句(ごごんぜっく)といい、1つの句が7字からなるもの七言絶句(しちごんぜっく)といいます。
以上から、この漢詩は「七言絶句」となります。
押韻:塵・新・人
押韻(おういん)とは、漢詩を読んだ時に一定のリズムが出るように、同じ響きの言葉を句の最後に置くことです。この詩では、
塵(Jin)、新(Shin)、人(Jin)
が該当します。カッコの中は日本語の音読みです。だいたいが日本語の音読みで判別することができますが、本来は、作者が生きた時代の発音で韻を踏んでいるかどうかを確認します。よって日本語の音読みだけでは判別ができない押韻も存在します。
押韻にはルールがあります。七言絶句では、原則として第1句末、第2句末、第4句末に同じ響きの言葉が置かれます。
練習問題にチャレンジ!
『送元二使安西』テストで出題されそうな問題
著者情報:走るメロスはこんな人
学生時代より古典の魅力に取り憑かれ、社会人になった今でも休日には古典を読み漁ける古典好き。特に1000年以上前の文化や風俗をうかがい知ることができる平安時代文学がお気に入り。作成したテキストの総ページビュー数は1,6億回を超える。好きなフレーズは「頃は二月(にうゎんがつ)」や「月日は百代の過客(くゎかく)にして」といった癖のあるやつ。早稲田大学卒業。
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