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杜甫『絶句』 書き下し文・現代語訳と解説 |
著作名:
走るメロス
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杜甫『絶句』
ここでは、中国の詩人、杜甫が詠んだ漢詩「絶句」の原文(白文)、書き下し文、わかりやすい現代語訳・口語訳、文法解説(五言絶句・押韻・対句の有無など)を記しています。
この絶句は、杜甫が戦争を逃れて成都にいたときに詠まれたものです。戦は終わったものの、戦後処理の影響から故郷には帰ることができずに、成都にとどまらざるをえない杜甫の心境が描かれていますので、その点を味わいながら読んでいきましょう。
白文(原文)
※左から右に読んでください。
江 碧 鳥 愈 白
山 青 花 欲 然
今 春 看 又 過
何 日 是 帰 年
書き下し文
江 碧 鳥 愈 白
江は碧にして鳥は愈よ(いよいよ)白く
山 青 花 欲 然
山は青くして花は燃えんと欲す
今 春 看 又 過
今春看す又過ぐ
何 日 是 帰 年
何れ(いづれ)の日か、是れ帰年ならん
現代語訳
江は碧にして鳥は愈よ(いよいよ)白く
長江の水は深いみどり色に澄み、その色を背景に鳥たちはよりいっそう白く見えます。
山は青くして花は燃えんと欲す
山は青々と生い茂り、花は燃えるようにあざやかな赤色をしています。
今春看す又過ぐ
今年の春もあっというまに過ぎ去ろうとしています。
何れ(いづれ)の日か、是れ帰年ならん
いつになったら故郷に帰ることができるのでしょうか。
文法解説
■形式:五言絶句
4つの句からなる詩を絶句(ぜっく)といい、8つの句からなる詩を律詩(りっし)といいます。この漢詩では「江碧鳥愈白」を1句と考えます。この絶句は4つの句からなるので絶句です。
また、絶句のうち1つの句が5文字からなるものを五言絶句(ごごんぜっく)といい、1つの句が7字からなるもの七言絶句(しちごんぜっく)といいます。
以上から、絶句は「五言絶句」となります。
■押韻:燃・年
押韻(おういん)とは、漢詩を読んだ時に一定のリズムが出るように、同じ響きの言葉を句の最後に置くことです。例えばこの絶句では、
燃(Nen)、年(Nen)
が該当します。カッコの中は日本語の音読みです。だいたいが日本語の音読みで判別することができますが、本来は、作者が生きた時代の発音で韻を踏んでいるかどうかを確認します。よって、日本語の音読みだけでは判別ができない押韻も存在します。
押韻にはルールがあります。五言絶句では、原則として第2句末と第4句末に同じ響きの言葉が置かれます。
■対句(ついく)
対句とは、句を強調するために、形や語感が似たペアの句を作る技法です。ペアとなる句は、文法構造や用いている文字が呼応しているなどの特徴があります。絶句は、「第1句と第2句」が対句となっています。
■第1句と第2句
江 碧 鳥 愈 白
山 青 花 欲 然
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