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五代十国と宋の統一(科挙の完成、慶暦の和約、王安石の新法、靖康の変など) 受験対策問題 27 |
著作名:
レキシントン
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五代十国と宋の統一で押さえておきたいポイント
※赤字部分が問題に出そうな部分です。赤色の暗記シートなどで隠して見てください。
五代十国
・黄巣の乱の将軍だった朱全忠は、唐に下った後節度使に任命されたが、907年に唐を滅ぼし、後梁を建国した。
・唐の滅亡から宋の統一まで、華北には後梁・後唐・後晋・後漢・後周の5王朝が成立し、これを五代といった。また、江南・華南には、前蜀・後蜀・呉・南唐・呉越・閩・荊南・楚・南漢・北漢の十国が成立し、この時代を五代十国時代という。
・朱全忠が建国した後梁(907〜923)の都を汴州(開封)といい、後唐をのぞく五代と、のちの北宋の都として栄えた。
・突厥出身の李存勗が後梁を滅ぼして建国したのが後唐(923〜936)で、都を洛陽とした。
・後唐の家臣石敬瑭は、契丹の援助をうけて後唐を滅ぼし、後晋(936〜946)を建国した。この代償として、河北・山西の一部におよぶ燕雲十六州が、契丹に割譲された。
・後晋の節度使劉知遠は、後晋が契丹に滅ぼされたのち、後漢を建国した。
・後漢の節度使郭威は、後漢を滅ぼし、後周を建てた。都開封を中心に栄え、第2代世宗は契丹を破り、燕雲十六州の一部を奪還した。
・こうした五代の武力に基づく政治を武断政治という。
宋の統一
・後周の武将趙匡胤は、960年後周を倒し、宋(960〜1279)を建国した。趙匡胤から、9代欽宗までを北宋(960〜1127)といい、その後金によって起こされた靖康の変で北宋が滅ぶと、高宗が江南に逃れ、南宋(1127〜1279)を建国した。
・北宋第2代の太宗は、979年に北漢を滅ぼし中国を統一し、その後武断政治と対照的な文人官僚による統治の文治主義の確立を目指した。
・文治主義は、優れた官僚を必要としたため、科挙制度が重要視された。隋・唐で形作られた科挙は、宋時代に州試・省試という二段階の試験に加え、趙匡胤により皇帝が自ら試験を行う殿試が加えられ、完成した。北宋中期には、試験科目が秀才・明経をあわせ進士科に一本化された。
・宋代以降、社会的に支配層になったのが士大夫という知識人層であった。
・趙匡胤は、藩鎮(節度使)の勢力を削ぐため、禁軍という国軍を強化した。
・1044年には、対立していた西夏と慶暦の和約を結び、宋は貢物として銀・絹・茶を送るようになった。
王安石の改革と北宋の滅亡
・北宋第6代神宗の時代になると、唐宋八大家の一人で政治家の王安石が登用され、軍事費の増大や官僚制維持により疲弊した財政破綻を克服されるため、新法が行われるようになった。
・王安石の新法は、青苗法・均輸法・市易法・募役法・保甲法・保馬法・方田均税法などを中心に行われた。しかし、これらの新法は、地主や特権商人、特権官僚の利益を抑えるために行われたため、旧法党が反対し、不成功におわった。
・旧法党の中心人物は司馬光で、新法を廃止し、旧法を復活させた。司馬光は『資治通鑑』を編纂した。
・北宋末、張択端が当時の開封の様子を「清明上河図」に描いた。
・北宋第8代皇帝徽宗は政治は家臣に任せ贅沢な生活を送り、周辺諸国の金と同盟し、遼を挟撃したが1125年同盟国だったはずの金に開封が攻撃され、その後捕虜となり金の領土で没した。
・北宋第9代皇帝の欽宗の時代には、北宋の同盟国だった金が、1126年に開封を占領し翌年1127年に徽宗・欽宗と皇族を北方に連れ去る靖康の変がおこる。これにより北宋は滅亡した。
南宋の盛衰
・靖康の変で連れ去られた徽宗の息子高宗は、難を逃れ江南に南宋(1127〜1279)を建国した。1138年以降、都は臨安(杭州)に定められた。高宗は和平政策を採用し、1142年、金に臣下の礼をとり、毎年銀25万両・絹25万匹の巨額の歳貢を送る事となった。この和議により、淮河と秦嶺山脈を結ぶ国境が、南宋と金の境と決められた。
・この時代、主戦派の武将岳飛と和平派の政治家秦檜が対立し、岳飛は捕らえられ獄死し、その後英雄視された。
・南宋は江南の経済発展を元に繁栄したが、最終的に1279年フビライ=ハンに滅ぼされた。
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