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古今和歌集『つひに行く道とはかねて聞きしかど昨日今日とは思はざりしを』現代語訳と解説・品詞分解
著作名: 走るメロス
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はじめに

このテキストでは、古今和歌集伊勢物語125段『つひにゆく道』、大和物語などに収録されている歌「つひにゆく道とはかねて聞きしかど昨日今日とは思はざりしを」の原文、現代語訳(口語訳)と解説、そして品詞分解を記しています。



原文

つひにゆく道とはかねて聞きしかど昨日今日とは思はざりしを

ひらがなでの読み方

つひにゆく みととはかねて ききしかど きのうけふとは おもはざりしを

現代語訳(口語訳)

(誰しもが)最後に通る道とは以前から聞いていましたが、(まさか自分にとってのそれが)昨日今日(に差し迫ったもの)だとは思いもしませんでしたよ。



解説・鑑賞のしかた

作者は在原業平です。古今和歌集の詞書には、「病気になって弱ってしまったときに詠んだ歌」との記述があります。また伊勢物語によると、「昔、ある男が病気になって、気分がすぐれず今にも死にそうな気分になったので詠んだ歌」とされています。

人は皆死ぬ、ということは誰でも知っていますが、それが自分の身に迫っていることに驚きと嘆きを感じています。特にこれといった技法は用いられていませんが、それがかえって読者の心に強い印象を与えています。

品詞分解

※名詞は省略しています。



ついに副詞または名詞「つひ」+格助詞「に」
行くカ行四段活用「ゆく」の連体形
格助詞
係助詞
かねて副詞
聞きカ行四段活用「きく」の連用形
しか過去の助動詞「き」の已然形
接続助詞
昨日
今日
格助詞
係助詞
思はハ行四段活用「おもふ」の未然形
ざり打消の助動詞「ず」の連用形
過去の助動詞「き」の連体形
間接助詞または接続助詞


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