フィリッポス2世とは　わかりやすい世界史用語978

フィリッポス2世（紀元前382年 - 紀元前336年）は、古代マケドニアの王であり、アレクサンドロス大王の父として知られています。彼の治世は紀元前359年から紀元前336年まで続き、マケドニアをギリシャの主要な勢力に変えました。


フィリッポス2世は、紀元前382年にマケドニアのペラで生まれました。彼はアミュンタス3世とエウリュディケの息子であり、兄弟にはアレクサンドロス2世とペルディッカス3世がいました。若い頃、フィリッポスはイリュリアとテーベで人質として過ごし、そこで軍事と外交の教育を受けました。


フィリッポス2世は、マケドニアの軍隊を大規模に改革しました。彼はサリッサと呼ばれる長槍を装備したファランクスを導入し、これによりマケドニア軍は非常に強力な戦闘力を持つようになりました。また、彼は包囲兵器の開発にも力を入れ、塔やカタパルトを導入しました。




フィリッポス2世は、紀元前338年のカイロネイアの戦いでアテネとテーベの連合軍を打ち破り、ギリシャ本土を支配下に置きました。その後、彼はコリントス同盟を設立し、ギリシャの都市国家を統一しました。


フィリッポス2世は、外交と結婚同盟を巧みに利用してマケドニアの影響力を拡大しました。彼は複数の妻を持ち、それぞれの結婚を通じて政治的な同盟を築きました。


フィリッポス2世は、紀元前336年に王宮の護衛であったパウサニアスによって暗殺されました。彼の死後、息子のアレクサンドロス大王が王位を継ぎ、父の遺志を継いでペルシア帝国を征服しました。


フィリッポス2世の遺産は、彼の軍事改革とギリシャの統一により、後のアレクサンドロス大王の征服活動の基盤を築いたことにあります。彼の治世は、マケドニアを強力な国家へと成長させ、古代世界における重要な影響を与えました。