菩薩信仰とは　わかりやすい世界史用語785

菩薩信仰は、仏教の中でも特に重要な概念の一つです。菩薩とは、悟りを求めるだけでなく、他者の救済をも目指す存在です。


菩薩とは、サンスクリット語で「悟りを求める者」を意味します。菩薩は、自身の悟り（仏陀の境地）を目指しつつ、他者の救済をも重要視する存在です。大乗仏教において、菩薩は自己の解脱だけでなく、全ての生きとし生けるものの解脱を目指すことが求められます。




菩薩は、悟りを得るために様々な誓願を立てます。これらの誓願には、慈悲、智慧、忍耐などの徳を育むことが含まれます。特に有名な誓願としては、全ての生き物が悟りを得るまで自らは涅槃に入らないという「四弘誓願」があります。


菩薩信仰は、初期の仏教経典にもその萌芽が見られますが、本格的に発展したのは大乗仏教の成立以降です。大乗仏教は、紀元前後から紀元後1世紀にかけてインドで発展し、その後、中央アジアや東アジアに広がりました。


大乗仏教の経典には、多くの菩薩が登場します。様々な経典は、菩薩の理想像を描き、信者に対して菩薩道を歩むことを奨励しています。


菩薩行とは、菩薩が実践するべき行動や修行のことを指します。これには、六波羅蜜と呼ばれる六つの徳目が含まれます。六波羅蜜は、布施、持戒、忍辱、精進、禅定、智慧です。


菩薩は、仏教美術においても重要なモチーフとなっています。例えば、観音菩薩は慈悲の象徴として、多くの仏像や絵画に描かれています。また、文殊菩薩は智慧の象徴として、剣や経典を持つ姿で表現されることが多いです。

大乗仏教の菩薩信仰は、仏教の中でも特に重要な教えであり、その慈悲と智慧の実践を通じて、多くの人々に影響を与え続けています。