回教とは
中国における回教(イスラーム教)の布教は、唐代の高宗皇帝の時代に初めて中国に伝わったとされています。
初期の布教と発展
回教は、唐代(618-907年)に中国に初めて伝わりました。ムスリム商人らを介して回教は広州に到着しました。広州に懐聖寺を建設し、これが中国最古のモスクとされています。
その後、回教はシルクロードを通じて中国北西部にも広がりました。特に、ウイグル族が多く住む新疆ウイグル自治区では、イスラーム教が広く受け入れられました。新疆以外にも、寧夏回族自治区、甘粛省、青海省などにもイスラーム教徒が多く住んでいます。
宋代から元代までの発展
宋代(960-1279年)には、イスラーム教徒の商人が中国に多く訪れ、貿易を通じてイスラム教がさらに広まりました。元代(1271-1368年)には、モンゴル帝国の支配下でイスラーム教徒の地位が向上し、多くのイスラーム教徒が政府の高官として活躍しました。元代の皇帝はイスラーム教徒に対して寛容であり、イスラーム教の布教が盛んに行われました。
明代と清代のイスラーム教
明代(1368-1644年)には、イスラーム教徒の人口が増加し、イスラーム教の文化が中国社会に深く根付くようになりました。明代の皇帝はイスラーム教徒に対して比較的寛容であり、イスラーム教徒は商業や学問の分野で活躍しました。清代(1644-1912年)には、イスラーム教徒の人口がさらに増加し、特に西北部の地域でイスラーム教が広まりました。
近代のイスラーム教
20世紀に入ると、中国の政治的な変動に伴い、イスラーム教徒の状況も大きく変わりました。中華民国時代(1912-1949年)には、イスラーム教徒は教育や政治の分野で活躍し、イスラーム教の学校やモスクが多く建設されました。しかし、中華人民共和国の成立後、時期には、宗教活動が厳しく制限され、多くのモスクが破壊されました。