つみたてNISAがいくら増えるのかを等比数列を使って考えてみよう
等比数列を使った問題の中で、つみたてNISAや貯金のように、貯まっていくお金を計算する問題がよく出題されます。例えば次のような問題です
毎年a円ずつ積み立てています。1年預けるとrの利息がつきます。このとき、n年後にはいくらお金がたまっているかを考えてみましょう。
問題へのアプローチ方法
1年目、2年目、3年目・・・n年目には
毎年いくらお金が預けるのか、
預けたお金はいくらになっているのかを考えてみましょう。
解法
まず、1年目に預けたお金が2年目にはいくらになるのか、2年目に預けたお金が3年目にはいくらになるのか、3年目に預けたお金は4年目にはいくらになるのかを考えます。
■1年目:a(1+r)円
a円預けて1年間でrの利息がつくので、1年目のお金は2年目が始まる頃には
a(1+r)円になります。
■2年目:a(1+r)²+a(1+r)円
まず、毎年a円は必ず預けるので、2年目にもa円を預けます。この預けたa円は、2年目が終わる頃には
a(1+r)円となっています。
そしてこれとは別に、1年目に預けたお金にも利息がついてきます。
1年目に預けたお金は2年目が始まる頃に
a(1+r)円となっていましたが、このお金は3年目が始まる頃にはさらにrの利息がついて
a(1+r)(1+r)=a(1+r)²円
となります。合計すると2年目までに預けたお金の総額は
a(1+r)²+a(1+r)円
であることがわかりました。
■3年目:a(1+r)³+a(1+r)²+a(1+r)円
3年目も同様にして、預けたお金の総額は
a(1+r)³+a(1+r)²+a(1+r)円
となります。
■n年目はどうなる?
つまり、このことからn年目までに預けたお金の総額は、
a(1+r)ⁿ+a(1+r)ⁿ⁻¹+a(1+r)ⁿ⁻²・・・a(1+r)
で求めることができます。この等比数列の和を考えれば、n年目までに預けたお金の合計金額がわかりますね。
a(1+r)を初項、
a(1+r)ⁿを末項、
1+rを公比とすると、
等比数列の和の公式より
が求める金額の合計となります。
このように利息の計算をするのにも用いることができるのが、等差数列の特徴です。