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9_80 古文常識・文学史 / 古文常識・文学史

貴族の成人式

著者名: 春樹
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成人式

 元服といった言葉にみられるように、当時の貴族の子供たちは「大人になる儀式」を通して一人前の大人と認められました。ここではその風習について述べたいと思います。
男子成人式

まず男子ですが、11歳~15歳ぐらいまでの間に「元服」とよばれる儀式を行いました。髪型を結いあげると同時に、冠をかぶせてもらうのがこの儀式のメインイベントです。

男子の成人儀礼である元服は、男子が成人するに伴い髪形や服装を改め、初めて冠をつける儀式です。元服の時期は固定されておらず、11歳から17歳の間に行われることが一般的でした。時代や身分によって儀式の内容は異なりましたが、平安時代には男子は髪を結い、直衣という平時の服に衣冠という冠をつけました。成人前の若年者は童直衣と呼ばれる服を着用していました。元服を済ませた男子は、正式な貴族としての地位や権利を得ることができました。

元は「頭」を意味し、元服とは頭に冠を載せることを意味します。冠をかぶせる役目は朝廷で力のある人にお願いするのが慣例で、元服後もその人に後見人として支えてもらっていました。
女子の成人式

女子は12歳~14歳のころまでに「裳着」という儀式を行いました。この儀式の後に、「裳」を身にまとい、髪の毛を結いあげて、一人前の大人であることを示しました。またお歯黒や引眉(眉毛を剃り描き直すこと)を始めるのもこの年頃からです。
自分の娘に裳着を行わせることは、お嫁に行かせる準備ができているという親の意思の表示でもありました。

女子の成人儀礼は、裳着(もぎ)と呼ばれ、女子が成人して初めて裳(も)という衣服を着ける儀式です。裳着の時期は、初潮を迎えた後の10代前半の女子が対象とされていました。裳着を済ませた女子は、正式な貴族としての地位や権利を得ることができました。また、配偶者が決まった時や、他氏から求婚があった時にも裳着を行うことがありました。平安貴族の女子の裳着も、男子の元服と同様に、重要な儀式の1つでした。

元服、裳着を終えると、一人前の大人として結婚が許されるようになったのです。
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『必修 古文単語735』三省堂
『マドンナ古文常識217』 Gakken

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