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18_80 西アジア・地中海世界の形成 / ギリシア世界

エヴァンズとは わかりやすい世界史用語208

著者名: ピアソラ
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エヴァンズとは

クノッソス宮殿の発掘で知られるサー・アーサー・エヴァンズは、1851年7月8日にイギリスのハートフォードシャーで生まれました。彼の父親はジョン・エヴァンズで、紙製造業を営むジョン・ディキンソンの娘であるハリエット・アン・ディキンソンと結婚しました。エヴァンズ家は教育を受け、知的な家庭でしたが、特に裕福でも貴族の血筋でもありませんでした。

エヴァンズはオックスフォード大学で学び、その後、考古学者としてのキャリアをスタートさせました。彼の最も有名な業績は、クレタ島のクノッソスでの発掘です。この発掘は、当時オスマン帝国の支配下にあったクレタ島で、1877年にクレタ出身のミノス・カロカイリノスによって始められましたが、3週間後にトルコ当局によって中断されました。約30年後、エヴァンズはカロカイリノスの発見を知り、私財を投じて宮殿の土地を含む周辺地域を購入しました。そして1900年に自らの発掘を開始しました。

エヴァンズは、発掘された構造物やアーティファクトを基に、ミノア文明とミケーネ文明を区別する必要があると考えました。彼はまた、クレタ文字の線文字Aと線文字B、さらにそれ以前の象形文字の定義も初めて行いました。

彼の発掘は、クノッソス宮殿の広大な遺跡を明らかにし、そこからミノア文明の存在を世界に知らしめました。エヴァンズは、発掘した遺跡を基に、ミノア文明の時代区分を確立しましたが、後の研究では彼の時代区分とは異なる見解が示されています。また、彼は約3000枚の粘土板を発見し、その中にはミケーネ文字の一種である線文字B文字が記されていました。エヴァンズはこれらの文字の解読を試みましたが、成功しませんでした。しかし、彼の講演が後の研究者たちに影響を与え、最終的に線文字Bがギリシャ語の一形態であることが明らかにされました。

エヴァンズは、クノッソス宮殿の発掘だけでなく、その復元にも力を入れました。彼は現代の建材を使用して青銅器時代の宮殿を復元し、これが彼の作業の中で最も議論を呼ぶ部分となりました。

彼の発掘方法には批判もあります。例えば、彼は地元の労働者を雇い、表土をかごで運び出すことから始めましたが、その過程で多くの遺物が破壊された可能性があります。

エヴァンズは、考古学だけでなく、博物館管理やジャーナリズム、政治、慈善活動にも関わり、多岐にわたる分野で活躍しました。彼の業績は、ヨーロッパや地中海地域の先史時代研究に大きく貢献しました。
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『世界史B 用語集』 山川出版社

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