源氏物語『花散里』のわかりやすいあらすじ・主な登場人物の紹介
このテキストでは、
源氏物語の第十一帖『
花散里』(はなちるさと)のあらすじを短くわかりやすく記しています。その他、主な登場人物などもまとめています。
花散里のあらすじ
五月雨が降る頃、光源氏は麗景殿女御(れいけいでんのにょうご)が住む邸宅に向かいました。麗景殿女御は故桐壺帝の女御だった人物で、現在は光源氏がその生活を支えていました。麗景殿女御は光源氏の訪問を喜び、橘の花の香り漂う中、二人は昔話に花を咲かせます。その後、光源氏は麗景殿女御の妹である花散里に会いに行きます。花散里と光源氏は若い頃から恋人関係にあり、今でも心を通わせている人物です。
前章の
賢木、次章の
須磨と、光源氏にとって波乱万丈な出来事が続きますが、その間にあるこの花散里は、箸休め的な章となっています。作中で最も短い章です。
主な登場人物
■光源氏(25歳夏)
■麗景殿女御(れいけいでんのにょうご)
桐壺帝の女御の一人。存在感の強い弘徽殿大后(こきでんのおおきさき)とは対照的に、柔和な女性として描かれている。作中には麗景殿女御と名乗る人物が4名登場する。
■花散里
麗景殿女御の妹。光源氏の恋人。
源氏物語とは
源氏物語は平安中期に成立した長編小説です。一条天皇中宮の藤原彰子に仕えた
紫式部が作者とするのが通説です。
おすすめの書籍
【あさきゆめみし】
源氏物語は、文字で読むには非常に難解な物語だと思います。一人の人物を指す言葉が何パターンもあるというのが理由の一つです。例えば第一帖「
桐壺」に出てくる
・男御子
・御子
・君
・若宮
・宮
・源氏の君
・光る君
・源氏
という言葉はすべて、光源氏のことを指しています。光源氏の初恋の相手である藤壺を指す言葉は「先帝の四の宮、后の宮の姫宮、藤壺、御方、宮、かかやく日の宮」、桐壺更衣をいじめる弘徽殿女御を指す言葉は「右大臣の女御、一の御子の女御、弘徽殿、御方、女御、弘徽殿の女御、春宮の女御」と、非常に多くの表現が用いられており、このことが源氏物語を読みづらくしている要因の一つだと思います。そこでお勧めなのが漫画でイメージを掴むことです。特にここで紹介する
あさきゆめみしは、半世紀近く読み親しまれてきた漫画の決定版だと思います。
読むのが難解な源氏物語を、まずは漫画で気軽に感じてみてはいかがでしょうか。
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