ぞんす/存ず
サ行変格活用
未然形 | ぞんぜ |
連用形 | ぞんじ |
終止形 | ぞんず |
連体形 | ぞんずる |
已然形 | ぞんずれ |
命令形 | ぞんぜよ |
■意味1:自動詞
生存する、生き長らえる。
[出典]:牛を売る者あり 徒然草
「計らざるに牛は死し、計らざるに主は存ぜり。」
[訳]:思いがけず牛は死に、思いがけず飼い主は生き長らえている。
■意味2:他動詞
(「考ふ」、「思ふ」の謙譲語で)
存じます、考えます、思います。
[出典]:
忠度の都落ち 平家物語
「生涯の面目に、一首なりとも、御恩をかうぶらうど
存じて候ひしに...」
[訳]:私の生涯の名誉に、一首だけでも、ご恩を頂こうと
思っておりましたが...
■意味3:他動詞
(「知る」の謙譲語で)
存ずる、承知している。
[出典]:金の音 狂言
「さてもや某が存じた寺々は、大方参ってござすが...」
[訳]:ところで、もう私が承知している寺々は、たいていお参り致しましたが...
■意味4:他動詞
有する、持つ、保つ。
[出典]:太平記
「佐々木とても今はいかなる野心か存ずらんと、頼み少なく覚ゆれば...」
[訳]:佐々木とて今はどのような野心を持っているだろうか、信用はあまりできないと思われるので...