さかしら/賢しら
このテキストでは、古文単語「
さかしら/賢しら」の意味、解説とその使用例を記している。
名詞
■意味1
利口ぶること、賢そうにふるまうこと。
[出典]:万葉集
「あな醜さかしらをすと酒飲まぬ人をよく見ば猿にかも似る」
[訳]:ああみっともない。賢そうにふるまって酒を飲まない人をよく見ると、猿に似ているかなあ
■意味2
おせっかい、余計な口出し、出しゃばること。
[出典]:
すける物思ひ 伊勢物語
「昔、若き男、けしうはあらぬ女を思ひけり。
さかしらする親ありて、思ひもぞつくとて、この女をほかへ追ひやらむとす。」
[訳]:昔、若い男性が、(容姿が)悪くはない女性を愛しました。(しかしこの男性には)
おせっかいをする親がいて、(我が子が女性に対して離れられないぐらい)恋心を抱いたら困ると(思い)、この女性をよそへ追い出そうとしています。
■意味3
告げ口、密告、悪口。
[出典]:栄花物語
「この御堂の北南に移り住めば、あるさかしらするもの出で来て...」
[訳]:この御堂の北南に移り住むと、ある告げ口をする者が出てきて...