ひたすら/只管/一向
このテキストでは、古文単語「
ひたすら/只管/一向」の意味、解説とその使用例を記している。
副詞
■意味1
いちずに、もっぱら、ただただ。
[出典]:
あだし野の露消ゆるときなく 徒然草
「夕べの陽に子孫を愛して、さかゆく末を見んまでの命をあらまし、
ひたすら世をむさぼる心のみ深く...」
[訳]:夕日のような(残りわずかな)命の身で子や孫をかわいがり、(彼らが)繁栄してゆく将来を見届けるまでの命を期待し、
ただただこの世の利益や欲望に執着する心だけ強く...
■意味2
すっかり、まったく、。
[出典]:朝顔 源氏物語
「この盛りに挑み給ひし女御、更衣、あるはひたすら亡くなり給ひ、あるはかひなくて...」
[訳]:この女盛りのころに(帝の寵愛を受けようと)張り合っておられた女御、更衣、ある方はまったく故人となられ、ある方は生きがいもない身の上で...