かねて/予ねて
このテキストでは、古文単語「
かねて/予ねて」の意味、解説とその使用例を記している。
※「かねて/予ねて」は
①副詞
②連語
としての用法がある。
①副詞
■意味1
前もって、以前から、あらかじめ。
[出典]:
平泉 奥の細道
「
かねて耳驚かしたる二堂開帳す。」
[訳]:
以前から(その評判を)聞いて驚いていた二堂が開かれていた。
②連語
※ナ行下二段活用の動詞「かぬ」の連用形「かね」と接続助詞「て」からなる語句。
■意味1
〜前から。
[出典]:
足柄山 更級日記
「足柄山といふは、四、五日
かねて、恐ろしげに暗がり渡れり。」
[訳]:足柄山というのは、四、五日
前から、恐ろしい様子で暗闇が続いている。
■意味2
あわせて、それと同時に。
※「兼ねて」と表記して。
[出典]:
世に従はん人は 徒然草
「死期はついでを待たず。死は前よりしも来らず、
かねて後ろに迫れり。」
[訳]:死期は順序を待ちません。死は必ずしも前からやってくるわけではなく、
それと同時に背後に近づいているのです。