「おもひいる/思ひ入る」の意味・活用・使用例【ラ行四段活用】
このテキストでは、ラ行四段活用の動詞「
おもひいる/思ひ入る」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
ラ行四段活用
未然形 | おもひいら |
連用形 | おもひいり |
終止形 | おもひいる |
連体形 | おもひいる |
已然形 | おもひいれ |
命令形 | おもひいれ |
■意味1:自動詞
思いつめる、深く考え込む、深く考えて入る、望んで入る、出家して山に入る。
[出典]:
百人一首 藤原俊成
「世の中よ道こそなけれ
思ひ入る山のおくにも鹿ぞ鳴くなる」
[訳]:この世の中には(辛さから逃れる)道はないものだよ。
思いつめて入った山の奥でも鹿が(悲しげな声で)鳴いていることよ。
■意味2:他動詞
気にかける、深く心にとめる。
[出典]:
平家物語
「遠くの異朝をとぶらへば、秦の趙高、漢の王莽、梁の朱忌、唐の禄山、これらは皆、旧主先皇の政にも従はず、楽しみを極め、諫めをも
思ひ入れず...」
[訳]:遠く外国(の例)を探すと、秦の趙高、漢の王莽、梁の朱忌、唐の禄山、これらの者はみな、もとの主君や前の皇帝の政治にも従わず、享楽の限りを尽くし、(他人の)諌言も
気にかけることなく...