なんでふ/何でふ
このテキストでは、古文単語「
なんでふ/何でふ」の意味、解説とその使用例を記している。
※「なんでふ」は
①連体詞
②副詞
③感動詞
としての用法がある。
①連体詞
■意味
(疑問や反語の表現を作って)
何という、どれほどの、どういう。
[出典]:厳島御幸 平家物語
「なんでふ事か候ふべき。」
[訳]:どれほどのことがありましょうか。
②副詞
■意味
どうして〜か(いや〜ない)。
※この用法は「なんでふ+反語表現」の形で用いられる。
[出典]:
絵仏師良秀 宇治拾遺物語
「
なんでふもののつくべきぞ。」
[訳]:
どうして霊がとりつくことがあろう
か(
いや、ない)。
③感動詞
■意味
(相手の言葉を否定して)
とんでもない、なんということを。
[出典]:祇王 平家物語
「なんでふ、さやうの遊び者は、人の召しに従うてこそ参れ。」
[訳]:とんでもない、そのような遊女は、人のお呼びに従って参るものだ。