はしる/走る/奔る
このテキストでは、ラ行四段活用の動詞「
はしる/走る/奔る」の意味、活用、解説とその使用例を記しています。
ラ行四段活用
未然形 | はしら |
連用形 | はしり |
終止形 | はしる |
連体形 | はしる |
已然形 | はしれ |
命令形 | はしれ |
■意味1:自動詞
駆ける、走る。
[出典]:
若紫・北山の垣間見 源氏物語
「十ばかりにやあらむと見えて、白き衣、山吹などの、なえたる着て
走り来たる女子...」
[訳]:十歳ほどであろうと思われる、白い下着に、山吹襲で着慣れている物を着て
駆けて来た女の子がいますが...
■意味2:自動詞
飛び散る、はねる。
[出典]:
五月ばかりなどに 枕草子
「人などのあゆむに
走り上がりたる、いとをかし。」
[訳]:人が歩くときに水が
はね上がったりするのは、趣がある。
■意味3:自動詞
胸がどきどきする、わくわくする。
[出典]:更級日記 菅原孝標女
「はしるはしるわづかに見つつ...」
[訳]:わくわくしながらわずかに読んでは...
■意味4:自動詞
逃げ出す、逃げる。
[出典]:方丈記 鴨長明
「走り出づれば、地割れ裂く。」
[訳]:(地震のために外に)逃げ出すと、地面が割れ裂ける。