「はかばかしき後ろ見」の現代語訳・口語訳・意味
原文
とりたてて
はかばかしき後ろ見しなければ、事ある時は、なほ拠り所なく
心細げなり。
現代語訳・口語訳・意味
取り上げて
しっかりとした後見人もいないので、何か事があるときには、やはり頼るあてもなく、心細い様子です。
品詞分解
| はかばかしき | シク活用の形容詞「はかばかし」の連体形 |
| 後ろ見 | ー |
| し | 副助詞 |
主な出典
【源氏物語「桐壷・光源氏の誕生」】
父の大納言は亡くなりて、母北の方なむ古の人の由あるにて、親うち具し、さしあたりて世のおぼえ華やかなる御方々にもいたう劣らず、なにごとの儀式をももてなし給ひけれど、とりたててはかばかしき後ろ見しなければ、事ある時は、なほ拠り所なく心細げなり。