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司馬遷『子路(子路為衛大夫〜)』書き下し文・現代語訳と解説

著者名: 走るメロス
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現代語訳(口語訳)

子路は衛の大夫孔悝(こうかい)の私領の長官でした。
(他国に逃げていた衛の皇太子)蒯聵は、孔悝と謀反をおこし、謀って孔悝の屋敷に入り、そのまま家来を引き連れて出公を襲ったのです。
出公は魯の国に逃げました。
こうして蒯聵は即位しました。
これが荘公です。


孔悝が謀反を起こしたとき、子路は街の外にいました。
これ(孔悝の謀反)を聞いて駆けつけました。
すると、子羔が衛の都の城門を出てくるのに出会いました。
(子羔が)子路に言いました。
「出公は去り、門はすでに閉じています。
あなたは帰りなさい。
(関係のない謀反に巻き込まれて)無駄に災難を受けてはなりません。」と。



子路が言いました。
「ある人から俸禄を受けた者は、その人の災難を見て見ぬふりはできません。」と。


子羔はとうとう去って行きました。
使者がいて城に入ろうとしていたので、城門が開きました。
子路はそれに乗じて中に入り、蒯聵の元に至りました。
蒯聵は孔悝とともに台に登りました。
子路が(蒯聵に)言いました。
「あなた様はどうして孔悝を重用しようとしましょうか、いや、しないでしょう。(重用しないのであれば)どうか私に孔悝を殺させてください。」と。


蒯聵は(子路の進言を)聞き入れませんでした。
そのために子路は(蒯聵をおどすために)台を焼こうとしました。
蒯聵は恐れて、(部下の)石乞と壷黶に命じて子路を撃たせました。
撃って子路の冠の紐を切りました。
子路が言いました。
「君子は例え死ぬとしても冠を脱ぐことはありません。」と。


(子路は)とうとう冠の紐を結びなおして死んでしまいました。

単語・文法解説

君焉用孔悝、請得而殺之蒯聵と孔悝はともに謀反を起こしたが、この時点で2人の仲は決裂しており、殺される運命にあった孔悝を救うために子路はこのようなことを言った
冠の紐
自吾得由、悪言不聞於耳孔子の悪口を言う者がいると、血気盛んな子路がこらしめたために孔子の悪口を言う者がいなくなったことを指している


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鎌田正、米山寅太郎 著 2011 『新漢語林 第二版』大修館書店
『教科書 探求古典B 漢文編』 桐原書店

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