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十八史略『荊軻』(丹奔往、伏哭〜)書き下し文・現代語訳と解説

著者名: 走るメロス
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現代語訳(口語訳)

丹奔(はし)り往き、伏して哭す。
(樊於期が自害した知らせを聞いた)丹は走って行き、伏せて声を上げて泣きました。



乃ち函(はこ)を以て其の首を盛る。
そして箱に(樊於期の)首を入れたのです。

又嘗て天下の利匕首を求め、薬を以て之を焠(にら)ぎ、以て人に試みるに、血縷(る)のごとくにして立ちどころに死す。
またかつて天下に名の通った鋭い短刀を探し求め、これに毒薬をもって焼きを入れ、(その刀を)人に試してみたところ、血が細い糸のように流れただけでたちまち(切られた人は)死んでしまいました。

乃ち装して軻を遣る。
そこでこれを身につけさせて荊軻を秦に派遣しました。

行きて易水に至り、歌ひて曰はく、
(荊軻は)道中、易水という川に至り、歌いながら言いました。



「風蕭蕭として易水寒し
「風がもの寂しく吹き、易水は寒い(冷たい)。

壮士一たび去りて復た還らず」と。
勇ましい男は一度去ると、もう帰ってはこないだろう。」と。



時に白虹(はくこう)日を貫く。
そのとき白い虹が太陽を横切りました。

燕人之を畏る。
燕の人は、これを(何かよくないことの前触れと)恐れたのです。


つづき:十八史略『荊軻』(軻至咸陽〜)書き下し文・現代語訳と解説

単語解説

声を上げて泣くこと
匕首「ひしゅ」または「あいくち」と読み、つばのない短い短刀を意味する
鉄に焼きを入れる、鉄を鍛え直すこと。ここでは前後の文章から「刀に焼きを入れる」と訳す
細い糸のこと
易水趙と燕との国境を流れる川。このとき秦は趙を滅ぼしていた

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鎌田正、米山寅太郎 著 2011 『新漢語林 第二版』大修館書店
『教科書 探求古典B 漢文編』 桐原書店

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