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蜻蛉日記原文全集「師走になりぬ」

著者名: 古典愛好家
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蜻蛉日記

師走になりぬ

師走になりぬ。横川にものすることありて登りぬる人、

「雪にふりこめられて、いとあはれに恋しきことおほくなん」


とあるにつけて、

こほるらんよがはのみづにふるゆきも わがごときえてものはおもはじ

などいひて、その年はかな暮れぬ。


正月ばかりに、二三日見えぬほどに、ものへわたらんとて

「人来ば、とらせよ」


とて、書きおきたる、

しられねば身をうぐひすのふりいでつる なきてこそゆけのにも山にも

かへりごとあり

うぐひすのあだにでゆかんやまべにも なくこゑきかばたづぬばかりぞ

などいふうちよりなほもあらぬことありて、春夏なやみくらして八月つごもりにとかうものしつ。そのほどの心ばへはしもねんごろなるやうなりけり。


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・蜻蛉日記原文全集「師走になりぬ」

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The University of Virginia Library Electronic Text Center and the University of Pittsburgh East Asian Library http://etext.lib.virginia.edu/japanese/
長谷川 政春,伊藤 博,今西 裕一郎,吉岡 曠 1989年「新日本古典文学大系 土佐日記 蜻蛉日記 紫式部日記 更級日記」岩波書店

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