相加平均と相乗平均を用いた不等式の証明
相加平均と相乗平均の関係を使って、不等式の証明を行ってみましょう。
練習問題
問題1
a>0、b>0のとき、次の等式を証明しなさい。また等号が成り立つのはどのようなときか答えなさい。
相加平均と相乗平均の関係は、a>0、b>0のとき
でした。これを変形すると
となります。
ここで、"a"を設問の"a"、"b"を設問の"16/a"に置き換えると
右辺を整理します。
以上の計算をまとめると
が成り立つことがわかります。
次にこの不等式の等号が成り立つのは、"左辺−右辺=0"のときなので
左辺を整理すると
a²−8a+16=0
(a−4)²=0
a=4
以上から、"a=4"のときに等号が成り立ちます。
問題2
x>0、y>0のとき、次の等式を証明しなさい。また等号が成り立つのはどのようなときか答えなさい。
この手の問題には決まった解き方があるのでそれを覚えておけばOKです。
まず、左辺を展開します。
つまりもとの式は次のように変形できます。
この式を①としましょう。設問の不等式を証明することは①を証明するのと同じことですね。
次に、"y/x"と"16x/y"を相加平均と相乗平均の関係の式にあてはめます。
右辺を整理すると
ここで求まった式の両辺に17を加えます。すると
見事に①式が成り立つことが証明されましたね。
また、この不等式の等号が成り立つのは、①の"左辺−右辺=0"のときなので
左辺を整理すると
y²+16x²−8xy=0
(y−4x)²=0
以上から、"y=4x"のときに等号が成り立ちます。