2次方程式の解の符号
2次方程式"ax²+bx+c=0"の判別式を"D=b²-4ac"、2つの解を"α"と"β"としたとき、次のことが成り立ちます。
・α>0、β>0⇄D>0、α+β>0、αβ>0
・α<0、β<0⇄D>0、α+β<0、αβ>0
・αとβの符号が逆⇄αβ<0
では、この知識がどのような形で役立つのかを、練習問題を通してみてみましょう。
練習問題
2次方程式"2x²−2mx+m+4=0"が、異なる2つの正の解を持つときのmの範囲を求めなさい。
2次方程式"2x²−2mx+m+4=0"の2つの解をαとβとしたとき、α>0かつβ>0となるmの範囲を求めればよいわけですが、先ほどみた「α>0、β>0⇄D>0、α+β>0、αβ>0」をうまく使えば答えを求められそうです。
"α>0、β>0"であるためには、"D>0、α+β>0、αβ>0"である必要があるので
・D>0
・α+β>0
・αβ>0
この3つの式をそれぞれみていきましょう。
■D>0
2次方程式"2x²−2mx+m+4=0"において、判別式"D"の値は
D=(−2m)²−4・2(m+4)=4m²−8m−32
これがD>0であればよいので
4m²−8m−32>0
m²−2m−8>0
(m−4)(m+2)>0
m<−2、4<m ー①
■"α+β>0"と"αβ>0"
続いて"α+β>0"と"αβ>0"ですが、これはよく見てみると
解と係数の関係と同じですね。
2次方程式"2x²−2mx+m+4=0"において、解と係数の関係により
これがそれぞれ"α+β>0"と"αβ>0"となるので
m>0 ー②
m>−4 ー③
以上求めた、①、②、③の範囲を同時に満たすmの範囲が、今回求めるものとなります。
"m>4"のときに与えられた2次方程式が条件を満たすことがわかりますね。