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12_80 数と式/集合 / 集合と命題

背理法を用いた命題の証明["m+n√5=0"ならば"m=n=0"を証明する問題]

著者名: ふぇるまー
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背理法を用いた命題の証明

ここでは、「有理数m、nについて、"m+n√5=0"ならば"m=n=0"であることを証明する問題」を通して、背理法への理解を深めていきましょう。背理法について未学習の人は、「命題[背理法を用いた証明と練習問題]」で学習してからこちらのテキストに戻ってきてください。

「"m+n√5=0"ならば"m=n=0"であることを、背理法を用いて証明」は、よく出題される形式の問題です。解き方のパターンが決まっているので、しっかりと解法をマスターしましょう。

問題

「有理数m、nについて、"m+n√5=0"ならば"m=n=0"であることを、背理法を用いて証明しなさい。」


解法

まず命題を整理しましょう。説明をしやすくするために「"m+n√5=0"」を条件p、「"m=n=0"」を条件qとします。つまり与えられた命題は、「p⇒q」となります。

これを背理法を用いて証明するわけですから、「」と仮定して、ここに矛盾がないかどうかをチェックしていきましょう。

この問題でポイントとなるのは「を正確に把握できるかです。「m=n=0」を言葉で表すと「m=0かつn=0」ですね。これの否定ですからは、「m≠0またはn≠0」となります。(「"かつ"と"または"の否定」より)

(1) mもnもどちらも0でない場合

m+n√5=0を変形します。

n√5=−m
√5=−(m/n)

ここで、mとnは有理数であることを思い出しましょう。mとnが有理数ということは当然、"−(m/n)"も有理数ということになります。つまり"√5=−(m/n)"は、

「無理数=有理数」

と矛盾を抱えた式なわけですね。

(2) mかnのどちらかが0の場合

先ほどと同じようにm+n√5=0を変形して"√5=−(m/n)"とします。

mかnのどちらかが0なとき、"−(m/n)"は必ず0になりますね。つまり"√5=−(m/n)"は

"√5=0"

と矛盾を抱えた式となります。

以上のことから、「」が成り立たないことがわかりました。よって「p⇒q」すなわち「有理数m、nについて"m+n√5=0"ならば"m=n=0"である」ことが証明できました。
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・背理法を用いた命題の証明["m+n√5=0"ならば"m=n=0"を証明する問題]

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2013 数学Ⅰ 東京書籍
2013 数学Ⅰ 数研出版

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