条件の否定
集合のところで、
集合の否定(補集合)についてはやりましたが、ここでは「条件の否定」についてみていきます。
考え方は集合の否定のしかたと同じで、pという条件があったとき、「
条件pではない」ことを
pの否定といいます。そして

とかき、"p
バー"と読みます。
「〜ではない」を表すのに「バー」を用いるのは集合と同じですね。
せっかく説明しましたが、とりあえず「バー」のことは忘れて、練習問題を通して「条件を否定する」ことに慣れていきましょう。
練習問題
問題
次の条件の否定を述べなさい
(1) x=5
(2) x>2
(3) xは正の整数
■(1) x=5の否定
x=5の否定はすなわち、「x=5ではない数の集まり」ですから、「x=5ではない」、つまり「
x≠5」が答えとなります。
■(2) x>2の否定
"x>2"のような
不等式の否定は、数直線を使って考えてみましょう。
"x>2"を数直線にすると、次の図の斜線部になります。
不等式の否定をするときによくやるミスが、「"x>2"の否定だから不等式を入れ替えて"x<2"が答え」とやってしまうことです。これは間違いです。なぜかというと、数直線を見れば答えがわかります。
"x>2"は、「2よりも大きい数」を表します。この否定は、「2よりも大きい数
ではない」ですね。
数直線をみたとき、そこに2は含まれていますか?それとも含まれていませんか?
そう、"x>2"に2は含まれていません。ということは、「2よりも大きい数ではない」に2は含まれていなければならないんですね。
よって正しい答えは、"x≦2"となります。
■(3) xは正の数の否定
(2)と同じように、「"xは正の数"の否定だから"xは負の数"が答え」とよくやってしまいがちです。しかしこれも間違いです。
"xは正の数"の否定は、"xは正の数ではない"なので、
正の数ではないものすべてが「"xは正の数"の否定」に含まれます。つまり答えは、「xは負の数、またはx=0」となります。