■雛の調度。蓮の浮葉のいとちひさきを、池より取りあげたる。葵のいとちひさき。なにもなにも、ちひさきものはみなうつくし。
雛 | ー |
の | 格助詞 |
調度。 | ー |
蓮 | ー |
の | 格助詞 |
浮葉 | ー |
の | 格助詞 |
いと | 副詞 |
ちひさき | 形容詞・ク活用「ちひさし」の連体形 |
を、 | 格助詞 |
池 | ー |
より | 格助詞 |
取りあげ | ガ行下二段活用「とりあぐ」の連用形 |
たる。 | 完了の助動詞「たり」の連体形 |
葵 | ー |
の | 格助詞 |
いと | 副詞 |
ちひさき。 | 形容詞・ク活用「ちひさし」の連体形 |
なに | ー |
も | 係助詞 |
なに | ー |
も、 | 係助詞 |
ちひさき | 形容詞・ク活用「ちひさし」の連体形 |
もの | ー |
は | 係助詞 |
みな | ー |
うつくし。 | 形容詞・シク活用「うつくし」の終止形 |
■いみじう白く肥えたるちごの二つばかりなるが、二藍の薄物など、衣長にてたすき結ひたるがはひ出でたるも、また短きが袖がちなる着てありくもみなうつくし。
いみじう | 形容詞・シク活用「いみじく」の連用形のウ音便 |
白く | 形容詞・ク活用「しろし」の連用形 |
肥え | ヤ行下二段活用「こゆ」の連用形 |
たる | 存続の助動詞「たり」の連体形 |
ちご | ー |
の | 格助詞 |
二つ | ー |
ばかり | 副助詞 |
なる | 断定の助動詞「なり」の連体形 |
が、 | 格助詞 |
二藍 | ー |
の | 格助詞 |
薄物 | ー |
など、 | 副助詞 |
衣長に | 形容詞・ナリ活用「きぬながなり」の連用形 |
て | 接続助詞 |
たすき | ー |
結ひ | ハ行四段活用「ゆふ」の連用形 |
たる | 存続の助動詞「たり」の連体形 |
が | 格助詞 |
はひ出で | ダ行下二段活用「はひいづ」の連用形 |
たる | 完了の助動詞「たり」の連体形 |
も、 | 係助詞 |
また | 接続詞 |
みじかき | 形容詞・ク活用「みじかし」の連体形 |
が | 格助詞 |
袖がちなる | 形容動詞・ナリ活用「そでがちなり」の連体形 |
着 | カ行上一段活用「きる」の連用形 |
て | 接続助詞 |
ありく | カ行四段活用「ありく」の連体形 |
も | 係助詞 |
みな | 副詞 |
うつくし。 | 形容詞・シク活用「うつくし」の終止形 |
■八つ、九つ、十ばかりなどの男児の、声はをさなげにて書読みたる、いとうつくし。
八つ、 | ー |
九つ、 | ー |
十 | ー |
ばかり | 副助詞 |
など | 副助詞 |
の | 格助詞 |
男児 | ー |
の、 | 格助詞 |
声 | ー |
は | 係助詞 |
をさなげに | 形容動詞・ナリ活用「をさなげなり」の連用形 |
て | 接続助詞 |
書 | ー |
読み | マ行四段活用「よむ」の連用形 |
たる、 | 存続の助動詞「たり」の連体形 |
いと | 副詞 |
うつくし。 | 形容詞・シク活用「うつくし」の終止形 |