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高校古文『防人に行くは誰が背と問ふ人を見るが羨しさ物思ひもせず』現代語訳と解説・品詞分解

著者名: 走るメロス
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はじめに

ここでは、万葉集に入っている「防人に行くは誰が背と問ふ人を見るが羨しさ物思ひもせず」という歌の現代語訳と解説をしていきます。

原文

防人に行くは誰が背と問ふ人を見るが羨しさ物思ひもせず

現代語訳

「(今度)防人として北九州に行くのはどちらのご主人かしら?」と周りの人たちが言っているのを見るのがもどかしい。夫が(防人として)行ってしまう私の気持ちを知りもしないで。

解説

防人(さきもり)とは、飛鳥時代から平安時代の間に課せられていた税の1つで、北九州の警護を担当する仕事でした。この時代は税金とはいっても、お金ではなく布などの現物や労働で納めていました。詳しくは日本史の授業で学習すると思います。

北九州までの移動にかかるお金は自分で負担しなければなりませんし、防人として働いていてもそのほかの税が免除されることはなく、残される身からすると、働き手である若い男性はいなくなるし、税は払い続けなければならないしと、大変なことずくしだったはずです。

この句の作者はわかっていませんが、防人に夫を送り出した妻、もしくはその様子をイメージした誰かが詠んだ歌になるでしょう。万葉集には、防人のことを詠んだ防人歌とよばれる歌がいくつも登場しています。

「背」とは、夫や恋人、兄弟などの男性を親しんでいう言葉。反対語は「妹」


品詞分解

※名詞は省略しています。

防人
格助詞
行くカ行変格活用・連体形
係助詞
格助詞
格助詞
問ふハ行四段活用・連体形
格助詞
見るマ行上一段活用・連体形
格助詞
羨しさ
物思ひ
係助詞
サ行変格活用・未然形
打消の助動詞・連用形

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『教科書 国語総合 古文編』 教育出版
佐竹昭広、前田金五郎、大野晋 編1990 『岩波古語辞典 補訂版』 岩波書店

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