はじめに
ここでは、
万葉集で詠まれている「
ささなみの志賀の唐崎幸くあれど大宮人の船待ちかねつ」という歌について説明していきます。
原文
ささなみの志賀の唐崎幸くあれど大宮人の船待ちかねつ
現代語訳(口語訳)
志賀の唐崎という地は、昔とかわらないままであるが、(昔ここを行き来したであろう)大宮人の船にはもう出会えなくなってしまった。
単語
| ささなみの | 「大津」・「志賀」の枕詞 |
| 志賀 | 現在の滋賀県滋賀郡およびその一体 |
| 幸く | さいわいに |
| 大宮人 | 宮中に仕えている人を指す言葉 |
| 待ちかねつ | 「かね」は「~しようとしてもできない」の意 |
品詞分解
※名詞は省略しています。
| ささなみの | 枕詞 |
| 志賀 | ー |
| の | 格助詞 |
| 唐崎 | ー |
| 幸く | 副詞 |
| あれ | ラ行変格活用・已然形 |
| ど | 接続助詞 |
| 大宮人 | ー |
| の | 格助詞 |
| 船 | ー |
| 待ちかね | ナ行下二段活用・連用形 |
| つ | 完了の助動詞・終止形 |