論語『子曰、「由、誨女知之乎(由よ、汝に之を知ることを誨えんか)』解説・書き下し文・口語訳
中国の思想家孔子が述べたものを弟子たちがまとめたもの、それが
論語です。
論語は、古代中国の哲学者である孔子の言行録です。この書物は、孔子の教えや倫理的な原則、社会的な行動規範に関する言葉や対話が記録されています。論語は、孔子の弟子たちによって編纂され、後世の中国哲学や倫理学に大きな影響を与えました。
論語は、20巻から成り、それぞれが孔子や彼の弟子たちの言葉や行動に関するエピソードを含んでいます。これらのエピソードは、人間関係、道徳、教育、政治など、様々なテーマに関連しています。論語は、個人の品行や社会の秩序を向上させるための指針として解釈され、倫理的な行動の実践に役立つ価値観を提供しています。
孔子の教えは、人間関係の重要性、家族の価値、礼儀正しさ、忠誠心、学問の追求などに焦点を当てています。また、論語には孔子の弟子たちとの対話や議論も含まれており、知識の共有や学び合いの重要性を示しています。
論語は、中国や東アジアの文化において非常に重要な文献であり、多くの解釈や注釈が存在します。その教えは現代でも広く研究され、人間の行動や社会のあり方についての指針として引用されることがあります。
論語の一部は、日本でも古くから学ばれ、日本の倫理や教育にも影響を与えてきました。論語の学習は、道徳的な価値観の形成や個人の成長に貢献することが期待され今日に至るまで様々な形で教えられてきました。
ここでは、論語の第2章「
為政第二」の第17、「之を知るをこ之を知ると為し、知らざるを知らざると為す」の解説をしています。
白文(原文)
子曰、由、誨 女知之乎。知之為知之、不知為不知。是知也。
書き下し文
子曰く、由よ、汝に之を知ることを誨えんか(おしえんか)。これを知るをこれを知ると為し、知らざるを知らずと為す。是れ知るなり。
口語訳(現代語訳)
孔子先生はおっしゃいました。「由よ、お前に『知る』ということを教えてあげよう。きちんと知っていることを"知っている"とし、きちんと知らないことは"知らない"としなさい。これが知るということだよ」と。
※つまり、中途半端に知っていることは知らないのと同じだよと諭しているのですね。
■誨
諭し教えること。一方的に講義をしているのではなく、相手をなだめて教えているというイメージですね。
■女
"なんじ"と読みます。漢文で"お前"を指す言葉です。