はじめに
第1回は
アボガドロ数とは何なのかについて、そして第2回は
物質量(モル)と質量、原子量との関係について説明をしました。そして第3回目である今回は、
アボガドロの法則について説明をします。
アボガドロさんが登場するのも今回が最後なので 、名残り惜しく勉強していきましょう。
アボガドロの法則
イタリアの科学者アボガドロは、
同じ物質量の気体は、同じ温度、同じ圧力の状態であれば気体の種類にかかわらず同じ体積を示すという仮説を打ち立てました。
この仮説はのちに正しいということが証明され、このアボガドロが提唱した法則は
アボガドロの法則と呼ばれるようになりました。
同じ温度、同じ圧力とは言いますが、一般的に使われる条件は決まっています。
よく使われる条件とは
0℃・1atmの条件下のことで、この状態のことを標準状態といいます。この標準状態という言葉はよく出てきますので、覚えておいて損はないでしょう。
0℃・1atmの状態のことを標準状態という。
そしてこの標準状態においては、
1mol=22.4リットルであると定められています。水素だろうと酸素だろうと窒素だろうと二酸化炭素だろうとメタンだろうと、どのような気体であっても、標準状態であれば、6.02×10²³個(すなわち1mol)の粒子が集まると、体積が22.4リットルになります。
モルはすべてのファクターに関係している
それでは、これまで3回に渡ってみてきた物質量(モル)と質量、原子量、そして体積の関係についてまとめてみましょう。下記の図は、
第2回のテキストで示した図に粒子の数、気体の体積を加えたものです。
気体の計算は、標準状態のときのみ成り立ちますのでよく確認してくださいね。
質量(g)=物質量(モル)×原子量(分子量・式量)
物質量(モル)=質量(g)÷原子量(分子量・式量)
原子量(分子量・式量)=質量(g)÷物質量(モル)
粒子の個数=物質量(モル)×アボガドロ数
気体の体積=物質量(モル)×22.4
この図をしっかりと描けるようになれば、この単元における計算問題は怖くはありません。
■次:実際に練習問題を解いてみましょう