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23_80 化学基礎:物質の変化 / 化学基礎:酸化還元反応

酸化還元反応式の作り方

著者名: 清原拓馬
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酸化還元反応式の作り方


半反応式を作る

半反応式を作るには酸化剤、還元剤がどうのように変化するかを覚えていなければならない。
代表的な酸化剤、還元剤は前の"酸化剤と還元剤"にのっているので覚えよう。

作り方は大きく分けて二つある。
<方法Ⅰ>
①反応前と反応後の形を書く。
②酸化数の変化に注目し、e^-を加える。
③H^+を加えて左右の電荷を同じにする。
④H2Oを加えて左右の原子数を合わせる
<方法Ⅱ>
①反応前と反応後の形を書く。
②H2Oを加えてO原子数を合わせる。
③H^+を加えてH原子数を合わせる。
④e^-を加えて左右の電荷を合わせる。

化学反応式を完成させる

①前の要領で酸化剤、還元剤の半反応式を作る。
②酸化剤、還元剤の電子e^-が消えるように各々の半反応式を調整(定数倍)し、足し合わせ、一つの式にする。(イオン反応式の完成)
③左辺、右辺に省略していたイオンを加える(左辺、右辺には同じものを等量加える)

練習

過マンガン酸カリウムの硫酸酸性溶液に過酸化水素水を加えた時の反応を化学反応式で表す。


<解答>
まずは酸化剤、還元剤の半反応式をつくる。
普通、過酸化水素は酸化剤として働くが、過マンガン酸カリウムやニクロム酸カリウムのような強い酸化剤が相手となる場合は還元剤となる。

なので今回酸化剤となるものは過マンガン酸カリウム、還元剤は過酸化水素水だ。
ではまず酸化剤の半反応式から。
今問題文中に硫酸酸性溶液とあるから
過マンガン酸カリウムの反応前、反応後は、
MnO4^- →Mn^2+
である。今回は方法Ⅰでやってみると、②酸化数の変化に注目し、e^-を加えるとある。
Mnの酸化数は+7→+2に変化しているので、左辺に5e^-を加え、
MnO4^- + 5e^- →Mn^2+
次は③H^+を加えて左右の電荷を同じにする。今左辺の電荷は-6 右辺は2+よって左辺に8H^+を加え、
MnO4^- + 5e^- +8H^+ →Mn^2+
最後に④H2Oを加えて左右の原子数を合わせる。いま右辺はO原子が4つH原子が8個不足しているので右辺に8H2Oを加え、
MnO4^- + 5e^- +8H^+ →Mn^2+ +8H2O     ・・・①
これで酸化剤の半反応式が作れた。
次に還元剤だ。
過酸化水素の反応前、反応後は、
H2O2 → O2
である。今回は方法Ⅱでやってみると②H2Oを加えてO原子数を合わせるとあるので、加えようと思うが左辺、右辺ともにO原子の数は2個で釣り合ってる。
では次に③H^+を加えてH原子数を合わせる。今左辺にH原子2個多いので、右辺に2H^+を加え、
H2O2 → O2 + 2H^+
最後に④e^-を加えて左右の電荷を合わせる。今右辺が+2なので右辺に2e^-を加え、
H2O2 → O2 + 2H^+ + 2e^-    ・・・②
これで還元剤の半反応式も完成!
そして①式、②式を比べe^-を消して、一つの式をするので①×2+②×5をして、 
   (MnO4^- + 5e^- +8H^+ →Mn^2+ +8H2O)×2
 +)(H2O2 → O2 + 2H^+ + 2e^-)×5       
   2MnO4^- + 5H2O2 + 6H^+ → 2Mn^2+ + 5O2 + 8H2O
これでイオン反応式は完成。この問題では過マンガン酸カリウムを使っているので隠れているイオンはカリウムイオンK^+。あとは硫酸酸性溶液なので硫酸イオンSO4^2-が隠れているのでそれを両辺に等量加えて、
2KMnO4 + 5H2O2 + 3H2SO4+ → 2MnSO4 + 5O2 + 8H2O + K2SO4
これにて化学反応式が作れた。
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・酸化還元反応式の作り方

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