色々な遺伝現象
遺伝の大原則はメンデルの法則の章で述べたとおりですが、中にはメンデルの法則にのっとらない例外的な遺伝形式があります。
3つあるので、1つずつ紹介します。
この章では、1つ目の「
不完全優性」についてお話します。
不完全優性
エンドウマメの例では、種にしわをつけない遺伝子Aのほうが、しわをつける遺伝子aよりも「強い」、つまり「優性」であると言いましたよね?ただ世の中には
強さが全く同じ対立遺伝子というのも存在するのです。例を出してみましょう。
「
マルバアサガオ」という花があります。この花を赤くする遺伝子Rと白くする遺伝子rがあります。RRとrrの子どもF1の遺伝子型はどうなりますか?
もうわかりますよね?Rrです。では、これの表現型(花の色)はどうなるでしょうか?エンドウマメのときのように考えれば、赤くなりそうですよね?ところが、今回のRとrは、
実はパワーが一緒なんです!つまりどちらが優性とは言えないのです。このことを「
不完全優性」と呼びます。
するとF1の表現型はどうなると思いますか?
そうです!ピンク色になるんです。
なんか単純すぎて「本当かよ?」といいたくなりますが、Rとrが不完全優性の関係なので、Rrの色は赤と白の中間になります。では、ここで練習問題です。
雑種第一代(F1)であるRr同士を交配させたときの雑種第2代(F2) の遺伝子型の比、表現型の比を求めなさい。
方法はまったくエンドウマメのときと同じですよ!
遺伝子型は
RR: Rr: rr=1:2:1となります。
これはエンドウマメと同じ結果ですね。
では表現型はというと
・・・もうわかりますね?表現型は
赤:ピンク:白=1:2:1です!エンドウマメのときは3:1でしたが、この3が、1と2に分かれた形になります。
次回は複対立遺伝子 について解説します。お楽しみに!