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古文単語「かく/掛く/懸く」の意味・解説【カ行四段活用/カ行下二段活用】 |
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著作名:
走るメロス
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「かく/掛く/懸く」の意味・活用・使用例【カ行四段活用/カ行下二段活用】
このテキストでは、古文単語「かく/掛く/懸く」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
動詞「かく」には
①欠く
②駆く/駈く
③舁く
④掛く/懸く
⑤掻く
などの用法があるが、ここでは「④掛く/懸く」を扱う。
そして「掛く/懸く」には
①カ行四段活用(上代の用法)
②カ行下二段活用
③補助動詞
の用法がある。
①カ行四段活用
| 未然形 | かか |
| 連用形 | かき |
| 終止形 | かく |
| 連体形 | かく |
| 已然形 | かけ |
| 命令形 | かけ |
■意味1:他動詞
つなぎとめる、吊り下げる。
■意味2:他動詞
関係する、係わる。
②カ行下二段活用
| 未然形 | かけ |
| 連用形 | かけ |
| 終止形 | かく |
| 連体形 | かくる |
| 已然形 | かくれ |
| 命令形 | かけよ |
■意味1:他動詞
掛ける、ひっかける、吊り下げる。
[出典]:にくきもの 枕草子
「伊予簾など掛けたるに、うちかづきて、さらさらと鳴らしたるも、いとにくし。」
[訳]:伊予の国産の簾(すだれ)などが掛けてあるのを、(くぐるときにそれを)頭にのせて、さらさらと音をたてさせるのも、たいそうしゃくに障る。
「伊予簾など掛けたるに、うちかづきて、さらさらと鳴らしたるも、いとにくし。」
[訳]:伊予の国産の簾(すだれ)などが掛けてあるのを、(くぐるときにそれを)頭にのせて、さらさらと音をたてさせるのも、たいそうしゃくに障る。
■意味2:他動詞
掛け渡す、両方に掛ける、二つの場所をつなぐ。
■意味3:他動詞
測り比べる。
[出典]:筒井筒 伊勢物語
「筒井つの 井筒にかけし まろがたけ 過ぎにけらしな 妹見ざるまに」
[訳]:筒井戸の井筒と背比べをした私の背は、もう井筒を越してしまったようだなあ。あなたに会わないでいるうちに。
「筒井つの 井筒にかけし まろがたけ 過ぎにけらしな 妹見ざるまに」
[訳]:筒井戸の井筒と背比べをした私の背は、もう井筒を越してしまったようだなあ。あなたに会わないでいるうちに。
■意味4:他動詞
兼任する。
[出典]:兼家 大鏡
「道綱と聞こえし、大納言までなりて、右大将かけ給へりき。」
[訳]:道綱と申し上げ、大納言にまでおなりになり、右大将を兼任なさった。
「道綱と聞こえし、大納言までなりて、右大将かけ給へりき。」
[訳]:道綱と申し上げ、大納言にまでおなりになり、右大将を兼任なさった。
■意味5:他動詞
覆いかぶせる、上からかける。
[出典]:平家物語
「御衣を肩にかけて退出す。」
[訳]:御衣(ぎょい)を肩にかけて退出した。
「御衣を肩にかけて退出す。」
[訳]:御衣(ぎょい)を肩にかけて退出した。
■意味6:他動詞
(湯や水などを)
注ぐ、浴びせかける。
[出典]:祐子内親王家紀伊 百人一首
「音に聞く 高師の浜の あだ波は かけじや袖の ぬれもこそすれ」
[訳]:評判の高い高師の浜のあだ波には、かからないようにしようと思います。袖が濡れると困りますから。そして同じように浮気者と名高いあなたに思いをかけたりはしますまい。(気まぐれの波をかけられて)波(涙)で袖が濡れると困りますから。
「音に聞く 高師の浜の あだ波は かけじや袖の ぬれもこそすれ」
[訳]:評判の高い高師の浜のあだ波には、かからないようにしようと思います。袖が濡れると困りますから。そして同じように浮気者と名高いあなたに思いをかけたりはしますまい。(気まぐれの波をかけられて)波(涙)で袖が濡れると困りますから。
■意味7:他動詞
火をつける。
[出典]:平家物語
「館に火かけ、焼きあげて...」
[訳]:館に火をつけて、すっかり焼いて...
「館に火かけ、焼きあげて...」
[訳]:館に火をつけて、すっかり焼いて...
■意味8:他動詞
(ある場所を)
目指す、目標にする、めがける。
[出典]:参議篁 百人一首
「わたの原 八十島かけて 漕ぎいでぬと 人には告げよ 海人の釣舟」
[訳]:大海原、(そこに浮かぶ)多くの島々を目指して漕ぎ出していったと(都の)人に告げてくれ。漁師の釣り船よ。
「わたの原 八十島かけて 漕ぎいでぬと 人には告げよ 海人の釣舟」
[訳]:大海原、(そこに浮かぶ)多くの島々を目指して漕ぎ出していったと(都の)人に告げてくれ。漁師の釣り船よ。
■意味9:他動詞
思いをかける、恋しく思う、愛情を注ぐ、気にかける、待ち望む。
[出典]:ある者、子を法師になして 徒然草
「若きほどは諸事につけて、身をたて、大きなる道をも成じ、能をもつき、学問をもせむと、行く末久しくあらます事ども、心にはかけながら...」
[訳]:若い時には、何事においても、名をあげて、大きな道で大成し、芸も身につけて、学問をもしようと、長い将来にわたって予期する様々なことを、気にかけながらも...
「若きほどは諸事につけて、身をたて、大きなる道をも成じ、能をもつき、学問をもせむと、行く末久しくあらます事ども、心にはかけながら...」
[訳]:若い時には、何事においても、名をあげて、大きな道で大成し、芸も身につけて、学問をもしようと、長い将来にわたって予期する様々なことを、気にかけながらも...
■意味10:他動詞
口に出す、話しかける。
[出典]:高名の木登り 徒然草
「降るるときに軒たけばかりになりて、『過ちすな。心して降りよ。』とことばをかけ侍りしを...」
[訳]:降りてくるときに軒の高さぐらいになって、「怪我をするな。気をつけておりなさい。」と(初めて)声をかけましたので、...
「降るるときに軒たけばかりになりて、『過ちすな。心して降りよ。』とことばをかけ侍りしを...」
[訳]:降りてくるときに軒の高さぐらいになって、「怪我をするな。気をつけておりなさい。」と(初めて)声をかけましたので、...
■意味11:他動詞
鍵をかける、錠をおろす。
[出典]:狭衣物語
「妻戸あららかにかけつる音すれば...」
[訳]:両開きの戸に荒々しく鍵をかける音がするので...
「妻戸あららかにかけつる音すれば...」
[訳]:両開きの戸に荒々しく鍵をかける音がするので...
■意味12:他動詞
命を託す、命など大切なものと引き換えにする。
[出典]:夕顔 源氏物語
「命を懸けて、何の契りにかかる目を見るらむ。」
[訳]:命を引き換えにして、何の因縁でこのような(夕顔の死という)辛い目にあうのだろう。
「命を懸けて、何の契りにかかる目を見るらむ。」
[訳]:命を引き換えにして、何の因縁でこのような(夕顔の死という)辛い目にあうのだろう。
■意味13:他動詞
だます、罠をしかけて捕らえる。
[出典]:古今六帖
「今来こむといひしばかりにかけられて...」
[訳]:(あなたが)すぐに来ようといったばかりに(私は)だまされて...
「今来こむといひしばかりにかけられて...」
[訳]:(あなたが)すぐに来ようといったばかりに(私は)だまされて...
■意味14:他動詞
期間にわたる、期間が続く。
[出典]:須磨 源氏物語
「暁かけて月出づるころなれば...」
[訳]:夜明けから明け方にわたって月が出るころなので、...
「暁かけて月出づるころなれば...」
[訳]:夜明けから明け方にわたって月が出るころなので、...
■意味15:他動詞
関係づける、かかわらせる、かこつける。
[出典]:古今和歌集
「筑波山にかけて君を願ひ...」
[訳]:筑波山にかこつけて天皇(の長寿や恩恵)を願い...
「筑波山にかけて君を願ひ...」
[訳]:筑波山にかこつけて天皇(の長寿や恩恵)を願い...
■意味16:他動詞
載せる、置く、乗せる。
[出典]:大鏡
「御車は榻にかくな。」
[訳]:牛車は榻に載せてはいけない。
「御車は榻にかくな。」
[訳]:牛車は榻に載せてはいけない。
■意味17:補助動詞
~しかける、~し向ける。
[出典]:殿などのおはしまさで後 枕草子
「口を引き垂れて、知らぬことよとて、猿楽しかくるに...」
[訳]:口(両端)をへの字に垂れ下げて、「知らないことよ」と、悪ふざけをし向けると...
「口を引き垂れて、知らぬことよとて、猿楽しかくるに...」
[訳]:口(両端)をへの字に垂れ下げて、「知らないことよ」と、悪ふざけをし向けると...
③補助動詞
■意味1:補助動詞
途中まで~する、~しかける。
[出典]:若菜下 源氏物語
「琵琶うち置きて、ただけしきばかり弾きかけて...」
[訳]:琵琶を置いて、ただちょっとだけ弾きかけて...
「琵琶うち置きて、ただけしきばかり弾きかけて...」
[訳]:琵琶を置いて、ただちょっとだけ弾きかけて...
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