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古文単語「うちとく/打ち解く」の意味・解説【カ行下二段活用/カ行四段活用】
著作名: 走るメロス
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うちとく/打ち解く

このテキストでは、古文単語「うちとく/打ち解く」の意味、活用、解説とその使用例を記している。

「うちとく」には
①カ行下二段活用
②カ行四段活用
の用法がある。
①カ行下二段活用

未然形うちとけ
連用形うちとけ
終止形うちとく
連体形うちとくる
已然形うちとくれ
命令形うちとけよ


意味1:自動詞

(氷などが)
解ける

[出典]宇治川の先陣 平家物語
「...昔ながらの雪も消え、谷々の氷うち解けて、水はをりふし増さりたり。」

[訳]:...昔ながらの長良山の雪も消えて、谷々の氷も解けて、(宇治川の)水はちょうどその時増していました。


意味2:自動詞

(男女が)
慣れ親しむ

[出典]筒井筒 伊勢物語
「まれまれかの高安に来てみれば、初めこそ心にくくもつくりけれ、今はうちとけて、手づからいひがひ取りて...」

[訳]:(男が)ごくまれにあの高安(の女の元)に来てみると、(女は)初めこそ奥ゆかしくよそおっていたのですが、今は慣れ親しんで、自分でしゃもじを手にとって...




意味3:自動詞

くつろぐ、のんびりする

[出典]:蜻蛉 源氏物語
「唐衣も汗衫も着ず、皆うちとけたれば...」

[訳]:唐衣も汗衫も着ずに、皆くつろいでいたので...


意味4:自動詞

油断する、気が緩む

[出典]:うちとくまじきもの 枕草子
うちとくまじき物。ゑせもの。」

[訳]気を緩めてはならないもの。身分の低い者。




②カ行四段活用

未然形うちとか
連用形うちとき
終止形うちとく
連体形うちとく
已然形うちとけ
命令形うちとけ


意味:他動詞

(結んである紐などを)
ほどく、解き放つ

[出典]:碁を、やむごとなき人のうつとて 枕草子
「碁を、やむごとなき人の打つとて、紐うちとき、ないがしろなる気色に拾ひ置くに...」

[訳]:碁を、高貴な人が打つといって、(服の)紐をほどき、無造作に拾って置くが...


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