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百人一首『わたの原八十島かけて漕ぎいでぬと人には告げよ海人の釣舟』現代語訳と解説(句切れなど) |
著作名:
走るメロス
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百人一首(11)
わたの原 八十島かけて 漕ぎいでぬと 人には告げよ 海人の釣舟
このテキストでは、百人一首に収録されている歌「わたの原八十島かけて漕ぎいでぬと人には告げよ海人の釣舟」の現代語訳・口語訳と解説(句切れ・体言止めなど)、そして品詞分解を記しています。この歌は、百人一首の他に、古今和歌集にも収録されています。
※百人一首は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活動した公家・藤原定家が選んだ和歌集です。100人の歌人の和歌を、1人につき1首ずつ選んで作られています。
原文
(※1)わたの原 (※2)八十島(※3)かけて 漕ぎいでぬと 人には告げよ 海人の釣舟
ひらがなでの読み方
わたのはら やそしまかけて こぎいでぬと ひとにはつげよ あまのつりふね
現代語訳
大海原、(そこに浮かぶ)多くの島々を目指して漕ぎ出していったと(都の)人に告げてくれ。漁師の釣り船よ。
解説・鑑賞のしかた
この歌の詠み手は、平安時代初期の公卿、参議篁(さんぎたかむら)です。本名の小野篁(おののたかむら)の方が有名でしょうか。篁は、昼間は朝廷で働き、夜間は冥界で閻魔大王のもとで裁判の補佐をしていたというユニークな伝説の持ち主で、一説には小野小町の祖父ともいわれています。
この歌は、篁が流罪となって隠岐国へ出発するときに、都の人に詠んで贈ったものです。流罪の理由は、遣唐使として唐へ渡る際に朝廷ともめ、当時の嵯峨上皇を激怒させたからといわれています。
主な技法・単語・文法解説
■単語
(※1)わたの原 | 大海原 |
(※2)八十島 | 多くの島々 |
(※3)かけ | カ行下二段活用「かく」の連用形。ここでは「目指す」と訳す |
■句切れ
四句切れ。
■技法
体言止め。和歌を名詞(体言)で締めくくる技法をいう。
品詞分解
※名詞は省略しています。
わたの原 | ー |
八十島 | ー |
かけ | カ行下二段活用「かく」の連用形 |
て | 接続助詞 |
漕ぎ出で | ダ行下二段活用「こぎいづ」の連用形 |
ぬ | 完了の助動詞「ぬ」の終止形 |
と | 格助詞 |
人 | ー |
に | 格助詞 |
は | 係助詞 |
告げよ | ガ行下二段活用「つぐ」の命令形 |
海人 | ー |
の | 格助詞 |
釣舟 | ー |
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