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高校古文『見し人の松の千歳に見ましかば遠く悲しき別れせましや』わかりやすい現代語訳と品詞分解
著作名: 走るメロス
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はじめに

このテキストでは、土佐日記に収録されている歌「見し人の松の千歳に見ましかば遠く悲しき別れせましや」の現代語訳・口語訳と解説、そして品詞分解をしています。



※この歌が収録されている章は、日付でいうと二月二十六日、便宜的に「帰京」と題す書籍もあります。

原文

し人の松の千歳にましかば遠く悲しき別れせましや

ひらがなでの読み方

みしひとのまつのちとせにみましかばとおくかなしきわかれせましや

現代語訳

以前会ったことのある人(亡くなった娘)が、松が1000年生きるように(生き長らえてその様子を)見る(ことができるの)ならば、遠く(土佐で)悲しい別れなどしただろうか、いや、せずにすんだろうに。



解説

作者は紀貫之です。土佐日記には次のように書かれています。
作者が久しぶりに帰った家の庭で、新しく生えている松を見て、赴任先の土佐で亡くなった我が子のことを思って歌を詠んだのですが、それでは飽き足りなかったのか改めて詠んだ歌。

文法

反実仮想

「〜ましかば〜まし」で反実仮想を表し、「もし〜だったら〜だっただろうに」と訳す。

品詞分解

※名詞は省略しています。



マ行上一段活用「見る」の連用形
過去の助動詞「き」の連体形
格助詞
格助詞
千歳
格助詞
マ行上一段活用「見る」の未然形
ましか反実仮想の助動詞「まし」の未然形
接続助詞
遠く形容詞・ク活用「とほし」の連用形
悲しき形容詞・シク活用「かなし」の連体形
別れ
サ行変格活用「す」の未然形
まし反実仮想の助動詞「まし」の終止形
係助詞または終助詞


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